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無印字への対策。 印字後の検査で考えたい大切なコト。

生産工場で産業用インクジェットを使っていく中では、時に、悩ましいことがありますよね?

こんちは、
マーキングコトはじめ 担当のけたろーです!

今日もありがとう、感謝です。

さて…

目次

悩ましい、アレ。

産業用インクジェットを使っていて、ごくごく稀(だと思いたい…)に発生するトラブルがあります。 それが発生すると、もう一大事! 

… って、なんだかわかりますか?

文字が綺麗に打てないとか、器材のトラブルとか… もちろんそれもあります。 でも、そうったことは恐らく、この件に比べると〝一大事〟とまではいかないのだと思えます。 何か? っていうと… 

無 印 字

です。 

無印字とは、本来、印字されているはずの内容が〝全く印字されていない〟という状態を指します。

汚れや擦れなどで文字が何とか読める範囲であるならトラブルとしてまだマシな部類だと思えます。 でも、〝無印字〟が紛れ込んでしまうと、事態は一変してしまいます。 

こと、最近の傾向では、「賞味期限」や〝消費期限〟といった情報の提示は必須になっています。 本来、記入されているはずの内容が抜けているのですから、最悪の場合、自主回収といった状況になりかねません。 

なぜ、無印字が起きるか?

そもそも、なぜ無印字が起きるのか? 

だいたいのケースを聞いてると、ふとした瞬間に起きた… と言う感じが多そうな印象です。 それまで、なんのトラブルもなく順調だったのが、あるときに 。。。 といった具合です。

その理由のひとつは、産業用インクジェットの設定ミスや操作ミスが考えられ、もうひとつは、印字ライン上での問題が挙げられます。 

ライン上での問題として考えられることは、例えば、印字の調整をしている際の〝未だ印字していない製品〟が紛れてしまった… とか、印字時の印字トリガ(印字指令)のタイミングが合っていないとか… あるいは、ライン上で搬送トラブルなどが生じていて、その際に無印字(未印字)が紛れ込んでしまった… というケースが考えられます。

概ね、印字を行った後は目視で検査されるケースが多いのですが、その検査時に見落としがあった… ということもあります。

では、どうやってそれを防ぐか?

産業用インクジェットプリンターといえども機械です。 メンテナンスを行っていたとしても、突発的なトラブルは避けられない事象です。 また、目視検査をしていて、仮に、そこで見落としがあったとして、その時の作業者を追及するのは、あまりにも酷な話しです… よね?  

ご周知の通り、起こってしまったことについて機械や人を責めたところで何の解決にもなりません。 だからこそ、そういったことへの対策が必要になるというわけです。

では、どうやって〝無印字〟の混入を防ぐのか? その答えは、シンプルに

カメラを使う。

です。 過去では、カメラによる検査はカメラ自体がかなり高価なものであって採用されにくかったのですけど、最近では安価なものもでてきているので、利用されるところも多くなったようです。

カメラによる検査は、ピンキリ。

カメラによる検査は、どの程度までの検査を行うかでその性能も価格帯もピンキリです。

単純に、文字列があるかどうかの 〝あるなし〟 検出くらいなら、比較的安価なカメラが利用できます。 また、もっと厳格に、例えば、印字された文字一つ一つを検査して、その欠けや揺らぎなどをもっとシビアに判断する必要があるのであれば、より高精度なカメラを用いた〝文字検査システム〟が必要になってきます。

余談; メーカーで部署が異なる。

これは、余談なのですが… 検査の度合いによって、メーカー側での対応が変ってくるので、問い合わせする際にはちょっと注意が必要かもです。 

画像センサーであれ、画像解析のようなより高度な部類であれ、『カメラを使う』というカテゴリーで統一して、同じ部署で扱ってほしいところなのですけど、そうではないんですよね… 残念。

ちなみに、画像センサーは、汎用の光電センサーなどと同列な商材になり、画像解析などではそれなりの専門的な部署が担当するようになっているようです。 なので、彼らの対応もそれなりに異なってくるというわけです。

もちろん、価格帯も全く異なります。 

画像センサーの部類はリーズナブルに検査ができます。 しかし、画像解析の分野となるとカメラやそのコントローラのコストもさることながら、制御部分の製作も別個にかかってくるので、全体的なコストがかなり違ってきます。

だからこそ… ここからがポイントなのですが…

どこまでの範囲で、どんな検査を行うのか?

ということを社内でしっかり決めておく必要があるということです。 

〝あるなし〟程度でいいのか? それとも、印字した各文字の欠けなど精度をあげた検査を行うのか? 履歴として検査結果をストックしておくのか? などなど。

無印字への対応とはいえ、そういったもろもろを決めなておかないと検査に対する齟齬が起きます。 … 齟齬とは、思い違いです。 

事が起きた時、『これって、この検査もしてるんじゃなかった?』 ということが起きないよう、しっかし、社内で共有しておくことが大事です。 また、齟齬は、メーカー(部署)に対してでも、むろん、検査機器そのものに対してでも起きてしまうので注意が必要です。 

余談2; 齟齬への体験談。

産業用インクジェット絡みではないのですが、画像検査に絡んだ齟齬については、過去にこんな体験をしたことがあります。 あるメーカーさんから

この画像センサーを使って検査をする用の装置を
作って頂けませんか?
弊社のxxを使うことで機種選定は終わっていて、
お客さんとは話しをしています。

ということで、装置の製作依頼を請けたときのことです。

画像センサーはメーカーからの支給ではなく、うちが手配するという形式で、そのメーカーの営業さん曰く、お客さんとの間で、使用する機種型番も決まっているとのことだったので、言われた型式を発注して、取り付け、装置を完成させたんです。 なのですが… 

納入する前に客先(エンドユーザー)に立会いしてもらっている中で、信じられないことが起こったんです。 

エンドさん曰く、

このキズとか、検査できますか?
これが検査できないと困るんですけど…

仕様等を含めて、全部決まっているということで話しを聞いていたので、うちからすれば、当然、『??』 と言う感じでした。 そういう検査をするというのも初耳でした。 

うちからすれば、エンドユーザーが決まっているとはいえ、取引(発注主)は、そのメーカーになります。 なので、エンド(お客)さんに事情を説明して、メーカーの担当営業を呼んで、話しをしてもらうことにしたのです。

結局、エンドさんと営業さんとが和解されたようで、無事に装置を納めることができたのですけど、どうやら、スペックギリギリで選定をしていたらしいのでした。 

なんで、ギリギリを薦めたのか? 理由は簡単です。 

そのスペックを越えると自分の取り扱いから離れて、他部署の管轄になってしまう。 となれば、自分の売上げがなくなる… と言う感じ。 いったいどこを向いてるのやら… ですよね。(^_^;)

この一件、まぁ、何とかなったんでよかったんですけどね。 やれやれ でした。


ともあれ、器材選定の根幹になってくるので、検査対象を明確にしておくということはすごく大事です。 

印字後の検査で考えたいこと。

器材の種類はともかくとして… 検査を〝作業〟として捉えた際に、作業現場として、どんな風にそれを安定的に行っていくか? という運用面を考えていくことが大事になります。

そりゃ、そうですよね? 

検査は毎日、毎回のことです。 どんなに高性能な検査機器をいれたとしても、その運用の仕方がまずければ、検査そのものが、信用しがたいものになってしまいます。 となれば、せっかくの検査も意味をなさなくなってしまいますよね。 

ポイントは?

産業用インクジェットでの印字後の検査で大事なポイントは、機材の設置の仕方です。

器材なんて、ただ置けばええだけやんか。

なんて風に思わるかもしれませんね。 苦笑

でも、設置の仕方で作業性が全然違ってくるんですよね。 作業性っていうのは、検査結果の信用度や信頼性にも影響してくるんです。 

なので、『ただ置けばええやんか!』という考え方でやってしまうと、後に痛い目にあってしまう可能性は否めないんですよね。 

産業用インクジェットそのものの運用を考えると、例えば、商品によって印字位置が変ったり、対象物が変わると言った場合がありますよね? その場合には、プリントヘッドの高さを変えたり、距離を変えたりといった調整をして、印字を行っているはずです。

その状況で、単純にカメラを設置したとすれば、プリントヘッドの位置を変えるたびにカメラ器材の位置も変更するという作業が発生します。 

ご存じの通り、カメラって、被写体との距離(ピント)が大事になります。 これは検査用のカメラでも同じくなのです。 ピントが合っていないと、正確な検査ができません。 また、照明も同じくです。

プリントヘッドの位置が変るたびに、もろもろも調整しなければならないって、かなりの労力だと思いませんか? その都度、別個に調整しなければならないとなると調整ミスを誘発しかねない… ですよね? 

また、生産現場として作業を考える場合、「再現性」ということも考慮する必要があります。 品種替えを行って、また、前回と同じ品種に戻った際の再現性です。 

誰が作業しても、同じ状態になること… 

これって、作業をデザインしていく上ではとても重要なことなのです。 結局、作業性の良し悪しが検査結果の信ぴょう性に関わってくるんです。

事例。

事例をお伝えしますね。 これです。

手動ハンドルによる昇降ユニットがついたカメラステージ付の4脚スタンドです。 4脚なので、安定感はバッチリです。 また、ハンドルを正面(操作側)にもってくることで、作業性を高めています。 

プリントヘッドを取り付けた状態は、こんな感じです。 今はなき、プリンターなんですけどね…。 

むろん、これは一例です。 器材のメーカー不問です。


ビビッときたら、お気軽にご相談ください!

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けたろーのアバター けたろー 包装機械移相談士/時短設計®士。

包装機械相談士/時短設計®士。 ご縁を頂いて、産業用インクジェット向けの周辺機器を手掛けるようになりました。インクジェットなど印字装置の性能は、各社でそれほど差はありません。実は、ほんとに大事なことは、印字装置そのものよりも周辺機器なのです。印字作業って携わってる現場からすれば毎日のことなので、なるべくなら作業者さん達の負荷が減らせるようになればいいなって、切に思ってます。

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