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原料用クラフト袋のコストダウンを考えてみる。

「クラフト袋」のコストダウンを図る。

〝クラフト袋〟 って、ご存じですか?

例えば、粉体(粉状の製品)やペレット(小さな固形物の製品)などのような原材料を入れるためによく使われる大きな紙袋があります。 米袋やセメント袋をイメージしてもらうとよくわかると思うのですけど、その袋を〝クラフト袋〟と呼んでいます。

米袋
セメント袋

クラフト袋を使用されている生産現場では、袋のサイズや中身が同じであったとしても仕向け先やサイズに応じて印刷を変えて袋を製作し、その銘柄ごとに受け容れ、管理されているのが一般的です。 

クラフト袋にまつわる現場での作業。

作業現場では、概ね、こんな流れで扱われている場合がほとんどだと思います。

  • クラフト袋のメーカーから資材を受けいれ。
    ⇒ オーダーした品種ごとに、保管用の棚へ割り振り、保管。
  • 原料(製品)充填用に、ロット番号などを印刷(印字)
    1.保管棚より、該当の資材を探し、指定枚数分準備する
    2.捺印装置にて、〝ゴム判〟を確認、適宜交換。
    3.捺印作業。
    ⇒ 捺印後、充填などの次工程へ。

こういった作業が担当者の日常業務として一般的に行われています。 会社さんによっては、印刷を行うための専任の部署、あるいは、専任者にて対応されているところもあるようです。 

で、このような一連の作業の中のどこにコストダウンのポイントがあるのか? と言うと、ズバリ! 作業そのものです。 

では、なぜ、作業そのものがコストダウンのポイントになるのか? それを詳しくお伝えしますね。

作業性を見直す。

ポイントは、〝作業性〟です。 なかでも、〝捺印作業〟をされている場合、その作業そのものがコストアップの引き金になっているケースが多いのです。

問題点とリスクを考えてみる。

捺印作業では、

  • ゴム判の入れ替え時に、作業者の手が汚れてしまう。
  • インクでクラフト袋が汚れてしまう。 
  • 捺印時の印圧の加減によって、文字の鮮明さが損なわれる。
  • ゴム判の入れ替えを間違えるリスクが大きい。

というような問題点があります。 

結局、捺印で使用する 判 の取り扱いがネックになっているというわけです。 また、交換作業等によってクラフト袋自体が汚れてしまうと〝製品〟として成り立たなくなるため廃棄となります。

実は、もう1点大きな問題があります。 

こういった作業は、誰にでもできそうな作業に見えるのですが、〝職人的な〟作業になってしまっている場合があるということです。 捺印装置自体の取り扱いはもちろんのこと、判のセットの仕方や作業への段取りなどを考えると、誰でも簡単に… という作業にはならないのです。 作業者の手が汚れてしまうということも一因しているのかもしれませんね。 

作業への経験値などを考慮すれば、専任をおいてやってもらう方が効率がいい… ということです。 しかし、そこには、落とし穴があります。 

それは、交代要員の問題です。 10年、20年前から現役で担当してくれてたスタッフも現状を考えると… どうでしょうか? なかなか変わりの人材が見つからないという問題があるのではないでしょうか? 

今や、人手不足は深刻な問題になっています。 それに加えて、別の視点では… 

捺印方式には、大きな問題が内在しています。 過去には、特に問題にはならなかったのですが、今は、企業側にその責任が発生してしまうという重大な問題です。

捺印方式での大きな問題。

捺印方式が抱えている大きな問題とは、〝トレーサビリティ〟への問題です。

トレーサビリティとは、その製品がいつ作られ、いつ、どこに出荷されたか? といった履歴が確認できる体制であることを指しています。 今や、トレーサビリティができることが企業側の責務でもあり、企業としてのコンプライアンスでもあります。 

注意したいことは、捺印方式では、トレーサビリティが難しいという点です。 

台帳などを使えば、履歴管理は可能です。 しかし、台帳などで管理を行う場合、台帳への記載ミスが発生するリスクがあります。 また、台帳に記載ミスがなかったにしても、〝判の入れ替え作業〟がある以上、記載した内容と実際に取り付けられている判(情報)の整合性があるのかどうか? 

などということを考えると、データの信用性は揺らぎますよね? また、こういった作業があることで、〝誰でも簡単に作業ができる〟という環境から遠ざかってしまうというのは否めないです。

トレーサビリティの他に加えて、判を用いた運用では、判のそのものの選択、はめ方の向き、並べ方の順番、などといったことへの作業上の注意はもちろんのこと、判の劣化によって捺印時に支障がでてしまうため、判そのものの管理も必要になります。

現代的な方法をとりいれる。

上記までに挙げた問題点やリスクを回避するために、最適な方法があります! 

産業用インクジェットを活用する!

その一つが【産業用インクジェットの活用】です。

産業用インクジェットは、ボトルなどの容器包装や段ボールや箱といった製品に対して使われるイメージが大きいのですが、クラフト袋に対しても有効です。

また、産業用インクジェットを使えば、印字内容を〝データ〟として管理できるため、トレーサビリティを考える上でも有効なのです。 

では、どのように活用すれば、資材のコストダウンに繋げることができるのか? 少し簡単にお伝えします。

産業用インクジェットを効果的に使うには?

クラフト袋へ用いる場合の効果的な使い方をお伝えしますね。

まず、現状の把握。

産業用インクジェットを導入していく前に、やっておきたいポイントがあります。 それは、現状の把握です。

  • 使用している袋のサイズは、何種類あるか?
  • 使用している袋の形状は、何種類あるか?
  • 捺印している内容(情報)は?

といった内容をまとめます。

共通化を考える。

次に、まとめた内容を元にして、〝共通化できる〟項目を整理していきます。

共通化できる項目とは、例えば、会社ロゴや品名などといった項目です。 共通化できる項目についてピンとこないのであれば、捺印する際に、毎回変えている項目を探してみるという方法もアリです。 ロット番号やロット記号、内容量といった項目は、同一品種であっても変わりやすい項目ですよね? そういった事柄を整理していきます。

この時の大事なポイントは、共通化できる(できそうな)項目は、可能な限り共通化してしまうということです。

プレ印刷と社内対応を上手に。

クラフト袋の発注時には、〝共通化した項目のみ〟を印刷してもらうようにします。 ちなみに、資材メーカー側で予め印刷してもらうことを〝プレ印刷〟と呼んでいます。

こうすることで、区分けが〝袋のサイズと形状〟のみに集約でき、受け容れ後の管理が簡単になり、必然的に管理スペースの削減にもつながります。 

また、管理スペースに関連したことがらでは、在庫管理作業の簡略化につながるという点もあります。

共通化する以前では、恐らく、品種による使用量の差が生じていると思うのです。 つまり、品種によっては不良在庫に成り得るということです。 これに関して言えば、在庫を把握するための作業があるでしょうし、発注時の品種把握といった仕事も発生しているはずです。

プレ印刷を共通化することで、それらの作業が削減できます。 加えて、もうひとつ大きなメリットがあります! 

コスト削減へのアプローチ。

大きなメリットは、〝資材コストそのものが下がる〟ということです。

なぜか? というと…

お互いにハッピーになれる… かも。

プレ印刷を共通化するという点を、資材メーカー側の視点で考えてみますね。

発注する側が、品種毎に分けてオーダーしてくるということは、製作メーカー側でも、それなりの対応が必要になるということです。 つまり、オーダーの内容によって、印刷に使う判を準備し、機械にセットするという作業が必要になります。

別の品種を製作するたびに、それ用の判を準備し、入れ替えといった作業が発生するわけです。 もっと細かいことを言えば、品種によって印刷に使用するインクが異なるといった場合では、インクの準備もあるわけです。 また、使用した判はそのまま放置というわけではなく、洗浄するという工程があります。

出来上がった製品についても、オーダーの枚数通りに品種ごとに分け、管理して、客先の元へ運ぶ… といった作業が発生します。 そういったもろもろの作業が、全て製作コストとして転化されるというわけです。 

プレ印刷が共通化されるということは、メーカー側での、そういったもろもろの作業が削減できるということにつながるため、コストも下げられるはずなのです。

また、〝バリューディスカウント(数量割引)〟も期待できます。

今まで、品種銘柄ごとに分けていたものが、共通化を図ることで、一括発注できるようになるということです。 

例えば、品種Aに50枚、Bに50枚、Cに30枚としていたものが、プレ印刷の共通化で同一品種になることから、130枚として一括発注できるということになります。 

となれば、お互いにハッピーですよね? まぁ、資材メーカーからすれば、受注金額が減ってしまう可能性は否めないのですけど… それにしても、製作作業の簡素化になるため、実質的な利益は増すはずです。 

_と言う感じで、コストダウンを図っていくことができるんです。


産業用インクジェットをどんな感じで使っていくのか? 事例を挙げておきますね。

コストダウン化を図ってきた事例をまとめてみました。

コストダウン化に貢献してきた事例を紹介します。

装置側での対応は、いろいろあります。

自動化を目指すスタンス、手作業を組み入れた半自動的な環境とか… でも、やっぱり、お奨めは自動供給を付加したスタイルです。 

クラフト袋を手作業で給袋する場合、「専任」の作業者が発生してしまう可能性があるので、時勢を考えると、自動給袋を加味した装置が理想だと思います。 

ワンオフですので、お客様の作業現場での設置場所や作業の規模に応じて最幸最善な方法を設計します。 

お気軽にご相談ください。