産業用インクジェットなど向けの付帯装置を手掛けている中で、感じてることがあります。
こんちは、
マーキングコトはじめ 担当のけたろーです! 今日もありがとう、感謝です。
さて…
本日の話題は、これです。
余談: 自動化を考えてみる。
産業用インクジェットやレーザーマーカーなどの印字機器に対する付帯設備を製作する打ち合わせの中で、よく話題になるのが、
自動供給装置をつけるか、つけないか?
ということがらです。 要は、印字を行う対象物をどのように扱っていくのか? ということです。 もっぱらは、

手投入(手作業)でいいです
という流れが多いです。 その場合でのほとんどが、
機械代が高くなるから…
ということを理由に挙げられます。
もちろん、作業者による〝手投入〟を前提にした装置も考えることはできます。 でも、手投入の構成は、もったいないな… と思うんですよね。
むろん、予算的な都合もあるでしょうけど、こういったことを言われる方の大部分に対しては、機械をよく知らず、且つ、将来的なことを見据えていないな… という(勝手な)印象をうけてしまうんですよ。
機械を考える立場で言わせてもらえば、目先(装置代)のことだけに注目して対処的に考える人が多いのは否めないのです。 たしかに、供給装置をつければ、その分、機械代はアップします。
手投入による対応の機体に比べたら、その差は歴然に大きくなるのも否定しません。 でも… もう少し考えてほしいなって思うんです。
こと、機械を設置する際の決定権は〝経営者〟にあります。 経営者側の意志決定が、ちょっと残念だなって思えるんです。(すんません、偉そうに… 苦笑)
取り巻く環境が変っている中にあって…
装置への価格に対しての他に、過去の体験でのもう一つの印象は、
手投入の方が手っ取り早いんじゃないか?
と言われる方も一定数いるということです。



自動供給?
そこまでいらんねん。
そんな感じで、拒否される場合もあります。 でも、その結論付けはちょっと待ってほしいと切に思うんですよね…。
なぜか?
それは、現在の社会環境や経済の動向を見ていれば、明らかだからです。
コロナ2019(新型コロナ)で、社会の構造が一変しました。 また、少子高齢化は、着実に進んでいて、ここ最近はそれがすごく顕著になってきていますよね。 仕事はあるのだけど、人材(財)が集まらないという状況がいろんな業界で起こっています。
製造・生産現場では、人財不足もさることながら、作業スタッフの高齢化も大きな問題になってきています。 今後、生き残っていくためには、こういった社会環境の変化や自社をとりまく状況の変化を敏感に捉え、如何に対応していくかがポイントになっていきます。
対応するというよりも『適応していく』という方が適当なのかもしれません。 ダーウィンの進化論ではないですが、生き残りとは、如何にその環境に適応していくか? ということです。


〝過去もよくて、今もいいから。〟 という理屈で、今後もそれが永久的に続くという認識は、少し浅はかというか、早計だと思います。 取り巻いている状況、環境への動向をしっかり認識し、将来へのビジョンを明確にしていく必要がありますよね。
ちょっと、大袈裟な言い回しになってしまいましたが… たかが、供給装置。 されど… なのです。
ゆでガエル のたとえ話をご存知ですか?
ところで、〝ゆでガエル〟の話しはご存じですか? ゆでガエルの話しは、恐らく、よく知られている話題であると思います。
水の中にカエルをいれ、その水を徐々に熱くしていく。 水は着実に「熱く」なっていっているにもかかわらず、カエルは、その変化に気が付かず、やがて死んでしまう…


というたとえ話です。 これは会社(経営)を如実に表している話でもあることから、広く知られていますよね。
要は、環境が大きく変化しているのにもかかわらず、自分が、その変化渦中いることに気が付かず、気が付いたころには手遅れ… という話です。 これって、ここ最近の状況に似ていると思いませんか? 特に、少子高齢化の事由とか、作業者の高齢化とか…。
自分ところには関係ない… もしくは、まだ大丈夫だ などという気持ちで捉えていると、トンデモナイ結果が!! になってしまうかもしれません。
自動化という選択肢。
よくよく、とりまいている現状の環境を考えてみてください。 恐らく、生産工場での 【自動化という選択】 はものすごく有意義なことですよね? そう思いませんか?
例えば、人件費の面で考えてみればどうでしょうか? ここでいう人件費とは、その作業に係る費用についてのことです。 当然のことながら、自動化することで人手が要らなくなります。 または、人手による作業が減ります。
とするなら、その作業に係る費用(経費)が少なくなるということ… ですよね?
あるいは、浮いた手数で別の作業ができるといったことも考えられます。 どういうことか? というと…
自動化への捉え方。
例えば、ある印字装置の例で考えてみます。
ワーク(印字対象物は)手投入という構成で装置を導入した場合、どうなるか? と言えば…
手投入の場合ではワークの投入はスタッフによる手作業になるため、まず、第一に考えられるのことがらが、処理能力についてのことです。
投入に係るスピードはスタッフのスキルに依存します。 つまり、要領のいいスタッフと、そうでない場合とでは、処理数(アウトプット)にムラ(差)ができてしまうということです。
スタッフによって差が生じてしまうというのは処理数だけに限ったことではなく、場合によっては、製品の外観にまで影響が生じてしまう可能性は否めないです。
これは、あるクライエントさんの話しなのですが、スタンプでカードに捺印する作業があって、手作業でさせていたそうなのですが、あるスタッフは綺麗に丁寧にその作業を行うのだけど、別のスタッフでは歪んで捺印したりとか…。
たかが捺印作業なのですけど、その作業の仕方で〝商品〟としてのでき方(見栄え)に差がでるのが問題なのです… と言われていました。
また、もうひとつ言えることのが作業への〝拘束〟です。
この点について、どういうことか? というと、スタッフによる手投入で処理が行われるため、逆を言えば、投入が行えるスタッフがいないと機械が動かせないということなのです。



作業するんやから、しゃーないやん。
(仕方がない…)
と思われるかもしれませんね。
また、「拘束」についてはもう一つの見解があります。 それは「経営者サイド」からの見解です。 ある種の経営者の中では〝給与が発生しているのだから、スタッフを拘束して当然だ〟という見解があるようです。 この見解、ごく一部… だと思いたいのですが、残念ながら、概ねのところはそういう考え方の経営者が多いとのことです。(とある中小企業相談士さんとの会話で。)
つまり、給与が発生している以上は、就業時間として働いてもらわないと! という考え方です。 その考え方の中では、供給装置などを組み込んで、例えば、それによってスタッフが楽になるようなことになれば、それはゆゆしき事態であって、遊ばせるようなことにでもなれば、もってのほか! という理屈に繋がっているらしいのです。
確かに、一理はあります。 スタッフが楽になって、就業の規定時間内で遊ぶようになるなら、給与を払っている側からすれば、それは困りますよね。 理解できます。
でも、拘束についてもう少し考えてみれば、当然のことながら、作業スタッフにも休憩が必要ですので、休憩時間中は対応できないということになります。 就業時間内での決められた休憩時間なら問題はないかも… ですが、例えば、ちょっと、トイレへ… という場合には、機械(作業)が滞ってしまうというわけです。
他方、供給装置をつけた場合で考えると、供給は自動で行われるため、処理数にはムラがありません。 つまり、計画が立てやすくなるというメリットが生まれます。
作業への拘束について考えてみれば、スタッフによる作業は、供給部分へのワークのセットや品種替え時の対応くらいで済むため、装置に対して常時拘束状態が生まれるわけではありません。
むしろ、今まで没頭していた投入作業に代わって、処理後の検品作業や箱詰めといった別の作業をしっかり行うことができるようになるということであって、決して遊びの時間が生まれるということではないのです。
自動化への視点は、長期レンジで。
自動化を目指す方がいいのか? 手投入のような作業をスタッフに頼る方がいいのか?
仮に、その仕事が短期的なことであるなら自動化は特に考える必要はないのかもしれません。 なので、それはケースバイケースだと思います。
しかし、一つ言えることは、重要なのは、その目線(スパン)をどこまで広げるか? なのだと思います。 概ね、自動化によるメリットがでてくるのは、短期ではなく長期だからです。 結局、その仕事が長期にわたって考えられるのであれば、自動化という選択がますます重要となってくるということです。
ただその際には、その導入を単なる〝出費〟として捉えられるのであれば、自動化は考えない方がいいと思います。 また、ずっと続けていくであろう… と推測や予測をするならば、途中で自動化に切り替えるよりも、最初から自動化を考えた方がいいですよね。
自動化とは、工場をよりよくしていくための手段への〝投資〟であり、また、それが投資である以上、工場をさらにより良くしていくという【向上への使命】がそこには存在しています。
とするなら、同じお金を使うのでも、『出費』という感覚と〝投資〟という感覚では歴然の差があると思いませんか? どうせなら、自動化を『投資』として受け止め、工場をより良い形へ適応させて頂きたいと思います。
ビビッときたら、お気軽にご相談ください!