「装置を入れ替えたんだけど、思ったよりよくならなくて。」 こういう相談を頂くことがあります。
こんにちは。
大阪・柏原市で、
印字作業や印字工程を楽にする仕組みづくりに関わっている
マーキングコトはじめ、担当のけたろーです。
今日もありがとう、感謝です。
というわけで、今回の話題は…
印字装置は「単品」ではなく「系」として機能する
手捺印やホットプリントから、インクジェットやレーザーへ切り替えた。装置のスペックは上がった。でも、現場での印字がズレる、かすれる、安定しない。結局、ベテランが微調整しながら作業を回している…。
新しい装置にしたのに、なぜ変わらないのか。
ほとんどの場合、その原因は、印字装置そのものではありません。
機械設計の世界では、部品単体の性能と、組み合わせた時の性能は別物として考えます。どれだけ精度の高い部品を使っても、組み合わせるときの「インターフェース」が合っていなければ、系全体の精度は出ないんです。
全体としてのバランスをみること。
印字工程も、まったく同じです。

装置単体のスペックがどれだけ高くても、それを支える周辺——ワーク(製品)の位置決め、搬送のタイミング、高さ調整、治具の精度——が整っていなければ、印字品質は安定しないんですよね。
装置を替えても変わらない現場では、たいてい「装置以外の部分」が原因になっています。
うまくいかない現場に共通していること
よくあるのが、こんなケースです。
印字機器を導入するとき、メーカーの担当者に相談したら「これでいけます」とセットで周辺機器を提案してくれて、価格も安くしてもらえた。 ありがたいと思って導入した。
たしかに、印字自体はできるし、1個、2個の試し打ち程度の作業なら、きれいな印字もできる。 でも、連続での作業性がよくない。品種の切り替えがやりにくい。ちょっとした段取りのたびに手間がかかる。
「安くしてもらえたのはありがたいけど、作業性が悪くなったのは別の話で…」
こういう声を聞くことが、少なくないです。
これは、メーカーが悪いわけではありません。メーカーの担当者が提案してくれる周辺機器は「汎用設計」です。装置が動くことは保証してくれる。
でも、実際の作業を考えた時、その現場の製品・ライン・作業の流れに合わせて設計されたものではない場合が多いです。 とりあえず、「形」にはなってる。 けど、結果として、装置は動いているのに、現場全体の作業コストは下がらない——むしろ余計な手間が増えている、という状態に陥ってしまってる。
初期費用を安く抑えられても、毎日の作業性が悪ければ、そのコストは確実に積み上がっていきます。 見えにくいだけで、損失は出ています。

具体的には、こういうパターンが多いです。
ワークの位置が毎回ずれる
搬送の途中で製品が動いてしまう。治具や押さえがないまま印字しているため、印字位置が安定しない。装置の問題ではなく、ワークを固定する仕組みの問題です。
印字面までの距離が一定でない
製品の形状や搬送高さによって、ノズルやヘッドとの距離が変わってしまう。再現性がとれない高さ調整の機構で使っているケースが多い。
品種の切り替えに時間がかかる
製品が変わるたびに、治具の交換・位置の再調整・高さの変更が必要になる。切り替えを想定した設計になっていないため、段取りのたびに手が止まる。
搬送スピードと印字タイミングが合っていない
ラインの速度に装置の設定が追いついていない。あるいは、そもそも速度の調整を想定した配置になっていない。
メンテナンスのしにくい置き方になっている
装置が奥まった場所に設置されていて、ヘッドのクリーニングやインク交換がしにくい。結果として、メンテナンスが後回しになり、品質が落ちていく。
加えて、コスト高になることを嫌って、自動化という観点で考えられていないケースが多く、人がつきっきりで対応せざるを得ないケースも。
どれも「装置を替えれば解決する」問題ではありません。印字工程を取り巻く「系全体」を、その現場に合わせて設計することが必要な問題です。
「装置を替えれば解決する」という考え方の落とし穴
人は、何か問題が起きると、原因を「目に見えるもの」に求めやすい傾向があります。 印字がうまくいかないなら、印字装置が悪い——これは自然な発想だと思います。
でも、機械設計の視点で言えば、「最も目立つ部分」が原因とは限りません。
不具合の根本原因は、見えにくい場所——インターフェースや周辺の条件——つまり、おおもとの考え方や想定に問題があることの方が多いのです。
印字工程で言えば、装置メーカーのカタログに載っているスペックは「単体での性能」です。現場で出せる性能は、周辺環境とのかみ合わせで決まりまるということ。
作業者のスキル、作業環境の問題、ワークの取り合いや配置・流し方など、外的な要素を想定しておく必要があるというわけです。
装置を替える前に、まず「系全体」を見渡すこと。それが、導入後に「思ったよりよくならなかった」を防ぐ、一番の近道です。
装置の選定より先に、整理しておきたいことがある
どの印字装置を選ぶかより先に、現場の「系」を整理することの方が、結果的に重要です。
- 製品の形状と搬送方法
- 印字する位置と、そこへのアクセス方法
- 求められる印字品質と、許容できるズレ
- 品種が変わるときの段取りの流れ
- メンテナンスをだれがどう行うか
- 自動か? 手動か?
これらが整理されていると、装置の選び方も、周辺機器の設計も、自然と決まってきます。
マーキング・コトはじめ(大青鉄工)では、印字装置の選定だけでなく、位置決め治具・高さ調整機構・品種切り替えへの対応・搬送との接続といった周辺機器の設計製作まで一貫して対応しています。
「装置は決まっているが、周辺をどうすればいいかわからない」「今の設備の作業性を改善したい」という段階からでも構いません。現場の状況をそのまま話してください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
印字機器の前に、
工程全体を整理してみませんか?
印字工程の課題は、本体だけでは決まらないことがあります。
印字作業・印字工程の機械化・自動化への提案、治具など周辺器材への仕組みまで含めて、
現場に合う形を整理します。
現場の状況が把握できてなくて、うまくまとまってなくても大丈夫です。
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