人件費が今のようにそれほど高くない頃、『機械化するよりも、人手の方が安いし、早い。』という理由で、多くの作業は人手作業で行われてきました。
こんにちは、
マーキング・コトはじめ、担当のけたろーです。
いつもありがとうございます! 感謝しています。
さて。
機械よりも、人手の方が効率がいい?
『機械よりも、人手の方が効率がいい。』 と思われている人は少なからずおられます。 確かに、人手であれば臨機応変に対応できますし、器用な人であれば機械より素早く対応できる場合もあります。
それに、人手なら『機械』という設備への投資が要りません。 人手による対応を好んで選択される方々は、機械設備への〝投資〟を〝出費〟だと捉える傾向にあるようです。
ただ、人手での対応には、潜在的な問題もあります。
人手による対応の潜在的問題。
臨機応変さや器用さを考えると人間の能力には柔軟さがあります。 しかし、その反面、『ムラ』や『無駄』も多いのも事実です。
時間のムラ
人の集中力は、おおよそ15分程度だと言われています。 当然、個体差もありますが、作業に対する持続性を考えると、生産数には時間的なムラが影響することも考慮に入れる必要があります。
技術的なムラ
その作業にかかるスタッフの技術的な個体差です。 器用な人もいれば、そうでない人もいます。 また、その作業に対する向き不向きと言った面もあります。 また、このムラは時間のムラとも関わってきます。 製品への出来栄えにも影響を与えるため、品質を考える上ではかなり考慮する必要があります。
金銭的な無駄
作業スタッフについて、雇用者側が期待している以上のパフォーマンスを上げてくれるのであれば特に問題は生じません。 しかし、そうでない場合には、人件費という面で『無駄』が発生してしまう可能性は否めません。
作業ラインに多くのスタッフが関わる場合、ライン上での私語などで生産に支障がでてしまうなどという問題もあります。
また、これは作業に直接絡むことではありませんが、スタッフが多いということは人間関係の問題が起きやすいということもあります。 人間関係に問題が生じると、当然、生産への影響は免れません。
カード台紙への効率的なナンバリング作業。
あるクライエントさんについて、『人手の方が早い』という理由から、〝カード台紙に捺印する〟という作業をスタッフの手作業でさせていたそうです。
ところが、きれいにまっすぐ捺印できる人もいれば、傾いてしまう人もいたりするため、その出来栄えにはバラつきが生じます。 手作業なので、当然、丁寧さは作業者に依存してしまうというわけです。
しかし、たかが捺印作業と言えど、バラつきがあるということは製品としての〝品質〟を考える上で致命的になり得ます。 最悪の場合、会社の体質や体制自体が疑われてしまう可能性があります。
そこで、機械化して作業を何とかしたいという依頼を受けたのでした。
機械化への要望。
なのですが…
結局、〝あれにも! これにも! それにも!〟 ということで9種類の品物へ対応することになりました。 9種類の中には、カード型の台紙もあれば、カートンケース(小箱)も含まれており、当然大きさも様々でした。 (画は、9種のうちの一例です。)

産業用インクジェットを用いることで、捺印の部分への対応としました。
品種への対応。
機械上、様々な品種へ対応させるためには、ある程度の工夫が必要になります。 こと、今回の種類の中にはカートンも含まれていたため、『セットするだけでOK』というわけにはいきません。 また、産業用インクジェットを用いるため、製品の搬送(流れ)方向も注意する必要がありました。
これらのことを踏まえ、品種に応じた型替えをすることで1台で9種類全てに対応することができました。
自動供給にて、作業が楽に。
マガジンへ資材をセットすれば、自動供給を行い、産業用インクジェットにて自動的に印字を行います。
手作業での捺印と違って、産業用インクジェットでは印字時の均一性が図れます。 また、自動供給ですので作業時間の短縮にも貢献できました。
作業場所に困らないコンパクトな機体設計。
作業の特性上、作業場のどこで使うかわからないとのことでしたので、装置の移動が自由にできるようにキャスター付でコンパクトな機体に設計しました。 但し、供給時にはエアーを用いるため、エアー源と電源がある場所なら作業可能としました。
機体全景。 マガジン部分 印字付近
なお、産業用インクジェット本体は、お客様の準備によるものです。 事前に機種がわかれば、そのメーカーに応じたプリントヘッドの取り付けブラケットを製作可能です。
余談: 機械化への流れは海外でも。
ちなみに、本機の設置は国内ではなくタイでした。 (貿易や現地での設置に関しては、客先にて実施。)
クライエントさんは、早くから海外での生産を行われている会社さんで、その当時、現地での日本企業は珍しかったとのことでした。 当然、人件費等の生産コストを鑑みられての現地進出だったそうです。
しかし、産業化が進むにつれ現地のコストも上昇し、現在ではあまり魅力が感じられないと言われていました。 タイの場合、まじめな方が多いみたいで品質という面ではコントロールしやすいとのことでしたが、人の出入りは激しいと言われていました。 給与賃金が合わないとすぐに辞めてしまうそうです。 むしろ、その点のコントロールが非常に難しいとのことでした。
人件費の高騰は、タイに限らず、世界的に起こっているようです。 産業体系が軌道に乗れば、国としても利益を得ることになり、それは当然、物価を含め給与にも影響してきます。 いつまでも低賃金で… と思うのは、こちら側の驕りですよね。
とするなら、どの世界であっても企業活動を行っていく上では、機械化を念頭に作業を進めるのが重要なのかもしれません。
動画が参考になれば、うれしいです。
時短設計®な視点で、印字作業を快適にしていく仕組みをワンオフで創っています。
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2022/02/18 Re-Write