生産現場の今では、産業用インクジェットを使った印字作業がすっかり主流になっています。 では、産業用インクジェットをどのように使っていけば、作業性が良く、きれいな印字がしていけるのでしょうか?
こんにちは、
マーキング・コトはじめ、担当のけたろーです。
いつもありがとうございます! 感謝しています。
さて。
きれいな印字を行っていくための基本。
産業用インクジェットのお陰で、印字に関する作業もずいぶん楽になりました。 そこで、産業用インクジェットを使用されている方に少し質問です。
産業用インクジェットを使って、きれいな印字を行っていくための基本とはなんでしょうか?
… なんだと思われますか? その基本とは、
プリントヘッドを如何にきちんと設置するか?
ということです。
これは、すごく簡単なことなのですけど、意外と知られていないように思えます。 知られていないというより、あまり意識されていない気もします。 なぜなら、メーカーから勧められた器材セットを〝何の疑いもないまま〟使い続けてるところが多いからです。
あるいは、作業スタッフが実作業として、大なり小なりの〝めんどくささ〟を感じつつも、それを是正せずに使っている、もしくは、上層へ改善要求を挙げているにも関わらず、後回しにされている… そんな感じだとも思われます。
たかが、スタンド。 されど、スタンド。
産業用インクジェットでは、プリントヘッドを用いて印字を行います。 言わば、印字作業を行っていく上でメインにあたる部分がプリントヘッドです。
そんなメインになるプリントヘッドが、適当に、いい加減に設置されていたとしたらどうでしょうか?
当然、その環境では綺麗な印字は望めませんし、印字作業そのものに支障がでてもおかしくないです。 つまり、プリントヘッドの設置の良し悪しが、印字の綺麗さに関わってくるということです。
作業上のキーポイント。
産業用インクジェットの導入を決め、メーカーを呼んで、機種の選定をしてもらって…
特殊な場合を除いて、彼らが勧める基本的な器材構成は、概ね、ワーク(印字を行う対象となる製品)を搬送するコンベアとプリントヘッドを設置するためのスタンドです。
前述した通り、プリントヘッドをどう設置するか? が産業用インクジェットを扱っていく上でのキーポイントになります。また、スタンドの良し悪しは、印字時の綺麗さは元より作業性そのものにも関わってきます。
しかし、そんなキーポイントになる器材にもかかわらず、メーカーはあんまり重要視していない感を受けます。
… それは、なぜか?
〝付属品〟の扱い。
端的に言うと、メーカーにとってプリントヘッドを設置するスタンドは、サービス的な付属品という認識が強いということです。
彼らにとっての実状を言えば、〝産業用インクジェット本体〟を導入してもらうことが先決であるため、スタンドなどの周辺部分については、それほど重要ではありません。
スタンド本体の価格が高くなってしまうと、全体のコストもあがってしまうため、むしろ都合が悪いのです。 また、逆にユーザー側の立場で考えると、産業用インクジェットへの知識があまりない場合には、

たかがスタンドで!
なんでこんな… 高っ!!
などという自体になりかねません。 こと、産業用インクジェットの導入を〝出費〟だと捉えるユーザーに至っては、この傾向は顕著なようです。 なので、あんまりコストがかけれない部分になっているのは否めません。
そんな理由から、〝メーカー純正〟と言って納めてくるスタンドでは、お世辞にも性能がいいとは言えないモノが多いのも事実です。 当然、そういった器材では、かなりコストを抑えた造りになっていて、日々の作業性や使い勝手の面は、ほぼ考慮されていません。 付属品=付録と考えれば、『とりあえず、使える形にしてる』と思った方が無難です。
たかがスタンド… されどスタンド… なのです。
日々の作業を考える。
繰り返しになりますが、スタンドの良し悪しが印字作業に大きく影響してきます。 ただし、製品の種類が1手で、設置後、まったく調整しないという状況で使われるなら、特に問題は生じないかもしれません。
しかし、多くの作業では固定的に設置するわけではなく、製品の種類に応じてプリントヘッドの高さ調整や、場合によっては、前後方向の調整も必要になることがあります。 また、プリントヘッドには清掃作業もあり、状況によってはスタンドから取り外して清掃するということもあります。
〝再現性〟を確保できるか?
産業用インクジェットの日々の運用で重要なのは、〝再現性〟が保てるか? ということです。
再現性とは、つまり、製品の品種が変わり調整した後、また前回の品種に対応するとした際、その時と同じ位置や同じ状態に簡単に戻せるかどうか? ということです。 これは、清掃作業などの後でも同じことが言えます。
産業用インクジェットでの印字の雰囲気(文字サイズや文字体)は、少しの変化でも影響を受けます。 例えば、印字距離が変ったり、プリントヘッドの向きが変ると、変化が顕著に現われます。
品質管理という点で考えれば、品種が変り、元に戻すたびに印字の文字サイズや字体の雰囲気が変るとすれば、問題になりえます。 店頭などに並べた際、同じ製品でも文字体がバラバラなら、良い印象であるとは言えません。
仮に、元の状態に戻すことができたとして、その作業にかなりの時間を費やさなければならないとするなら、それはそれで問題です。 日々の作業を行う生産現場にとって、再現性と作業性は両輪であるべきなのです。
円筒型スタンドの問題点。
プリントヘッドを設置するスタンドで、多い形状が〝パイプをクロス状に組み合わせた〟格好のものです。 機械創りをしている立場でいうと、この構成は非常にチープで済みます。 製作上ネックになる箇所をあげるなら、クロスになる部分でしょうか。 それでも、パイプ材を組み合わせるだけですので、安上がりに製作ができます。
〝プリントヘッドを設置する〟という機能だけで言えば、これでも十分だと思えます。 ただし、一度決めた位置から、触らず、変えず、『固定して』運用するという場合に限ってです。 しかし、そうでない場合は、ものすごく使いづらい物になります。
なぜ使いづらいか? それは、『円筒形』だからです。 高さ方向や前後方向の調整の際に、円筒形なので回ってしまうのです。 印字対象物に応じて、頻繁に高さや前後の調整が必要である場合には致命的です。
もっとも、円筒形であっても使用している部材に〝回り止め〟の細工をしている場合には問題ありません。 しかし、コストの関係で、そういったケアがされていない場合が多いのです。
作業時間のロスを考える。
作業は毎日のことになります。 調整に係る作業が面倒になる場合、作業スタッフにとっては苦痛以外の何ものでもありません。 また、この状態は時間的なロスを生みやすい状態であるとも言えます。
例えば、調整するたびに〝10分〟必要だったとします。 この調整が1日の作業の中で2回発生すると仮定すれば20分必要ということになります。 また、1カ月25日間の労働日を想定すると、
20分/1日 x 25日(1カ月) = 500分 (≒8.3時間)
8時間程度、つまり、約1日分の時間が無駄になっているということが言えます。 なお、品種替え自体は必要な作業であるため、なくすことは不可だと思いますが、問題はその作業に係る時間です。
〝作業時間=経費〟であることを踏まえて考えれば、毎回、それだけの経費が掛かっている実状をどう捉えるか? です。
スタンドを変えるだけで、大幅な作業時間の短縮に繋げることができます。
プリントヘッドスタンドの事例。
4脚タイプスタンド 4脚タイプスタンド カメラ対応4脚タイプスタンド 角フレーム仕様 プリントヘッド昇降・前後調整ユニット プリントヘッド昇降ユニット
使用環境に応じたスタンドを設計・製作しています。 当然、メーカーは不問です。 また、文字検査用カメラの取り付けにも対応可能です。 余談になりますが、カメラを設置する場合にはヘッドと連動させる方が調整が断然楽になります。
上記画像の通り、ユニットとして、プリントヘッドの高さや前後方向の調整だけの器材の対応もしています。
もし、現状の作業でかなりの〝めんどくささ〟をお感じなら、ご検討を是非。
時短設計®な視点で、印字作業を快適にしていく仕組みをワンオフで創っています。
インクジェットのメーカー問わず、対応します。
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2022/02/21 Re-Write