今やネットで調べれば色んなメーカーの情報を得ることができて、問合せすれば、ほとんどのメーカーはすぐに来てくれます。 だけど、それだけの理由で選んでいいものでしょうか? 今からお伝えしていく内容は、ボク自身の経験にもとづく事がらです。
こんちは、
マーキングコトはじめ 担当のけたろーです。
今日もありがとう、感謝です!
さてさて。
メーカー選びはどうやる?
対象物にインクジェットで印字がしたいということが決まって、ネットでいろいろ情報を調べて、メーカーに問合せして… いざ、決めるとなるとどうでしょうか? メーカーの選び方、悩ましくないですか?
誤解を恐れずに言えば、余程そのメーカーのその機種でしか対応できないような特殊なモノへの印字や、技術的にそのメーカーでしか対応できないという場合を除いて、インクジェット装置そのものの性能は、今やほぼ同等って言ってもいいです。
ところで、『コモディティ化』って言葉、ご存じです? コモディティ化 っていうのは、
コモディティ(英:commodity)化は、市場に流通している商品がメーカーごとの個性を失い、 消費者にとってはどこのメーカーの品を購入しても大差ない状態のことである。 なお英語の「commodity」は日用品程度の意味しかないが、別儀としては必需品など生活に 欠かせないものも指し、後述されているようにその分野の物品は消費者の生活にとって無くては 困るものともなっている。
引用元:Wiki
つまり、性能の平坦化であり、標準的であり、無個性であることを指してます。 端的に言えば〝どれでも同じ〟って感じですね。
コモディティ化について身近な例を言えば〝テレビ〟です。 あ、マニアな人は、ひとまずおいといて… 例えば、SH社、P社、SO社の同じサイズの液晶テレビを置いてブランド表記を隠した場合、どれがどこのメーカーで作られたものかわかりますか? つまり、そういうことです。 外観的には、製品としての特徴や個性がないので分別がつかない。 それに性能にも、それほど大差がなくて、ほぼ同じ。
となれば、何を基準に選びますか? 見かけも性能もほぼ同等なれば、選びにくいですよね。
産業用インクジェットの場合でも、これと同じなのです。 どこのメーカーのものを選んでも性能的に遜色はなく、それほど大きな差はありません。 こと、賞味期限や消費期限などに用いられれる小文字の印字についてはほぼ寡占状態です。
となれば、いったい何を基準に選べばいいの? ってことになりますよね?
見積もり金額で判断するな!
そんな時の判断基準が〝見積もり額(値段)〟になるのかもしません。
同じ性能なら、安いのでええやん!
って。
まぁ、その気持ちはわかります。 でも、価格が一番安いからという理由で選んで、買って失敗したことないですか? ボクはあります。笑 安かったからという理由だけで選んで、結局、使い物にならなくて、買い直したというのは経験済です。 苦笑
だから、単純に価格の差だけで選ぶのはどうかなって思うんですよ。 価格だけで選ぶと、大きな落とし穴が待ってる! …かもなのです。
とするなら、何を基準に選んだらいいでしょうか??
担当営業と会ってみる。
ボクのおススメは『メーカーの営業担当者と実際に会ってみる』ということです。 実際に会ってみれば、問合せメールの返信や電話での応答ではつかめないことがわかります。 仕事柄、たくさんの営業マンを見てきましたし、接してきました。 そんな中で感じた会って確認すべきポイントは、4つです。
営業マンの人柄。
メーカーの会社規模がどれだけ大きくても、やはり、購入する決め手は営業マンの人柄だと思います。 ビジネスだからと割り切ったとしても感情的に合わない嫌な担当から買いたくないですもんね。
人柄に関して言えば、まず、あなたの生産現場のことを理解して、現状抱えている〝不〟を解消できるような提案や相談にのってくれる人かどうかを見極めるのです。 また、購入した後のことも考え、その担当が信用・信頼のおける人物かどうか? を確認しておくことも大切です。
こと、産業用インクジェットは生産財になり、長期間にわたって使う器材になりますよね? そこそこ結構な買い物になるでしょうから、担当営業マンとの信頼関係が大切になります。
なので、うまくラポール(信頼関係)が築けそうな担当者を選ぶっていうことも大事なポイントになります。 逆に、ラポールが結べないような担当から買ってしまうと後々しんどいです。笑 まぁ、これはインクジェットに限ったことではないので他でもケアしておいた方がかもですね。
また、哀しいかな… 営業マンの中には自分の成績を最優先で推し進める人が少なからず存在しています。 あなたの生産現場の事情よりも、彼にとっての都合で機種を勧めてくる場合があります。
例えば、
今月の売り上げ成績がピンチだから、
何としてでも売りたい!
そんな状況に陥っている営業マンがいるとします。 その自分の〝ヤバい状況〟を改善すべく、強引な手で売ってくる(売りつける)場合があるのです。 それも見極めの対象です。 決して、〝口先だけ〟の営業マンを選ばないでくださいね。
会社の体質。
会社の体質も確認すべき点です。
営業マンの人柄がよかったとしても、会社としての体質に影響される場合があります。 典型的なのが販売価格への捉え方とコストの考え方です。 営業活動を行うにあたって『安くなければ売れない』とか『安くすれば売れる』というような体質のメーカーには注意が必要です。
安く買えるからいいんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、むしろ、その選択が逆に〝高い買い物〟になってしまう場合があるのです。 どういうことかと言うと、彼らからすれば、『安くなければ売れない』ので、付帯の製作物がある場合でも異常なくらい見積もり価格が安かったりするのです。
販売する側からみてのコストとは、仕入れにかかる経費です。 つまり、如何に安く仕入れて、高く売るか? です。 “製作物があるにもかかわらず安い” …これが何を意味してるかわかりますか?
まず、製作物とは、外注先による製作物のことを指します。 例えば、そのメーカーで手におえないような搬送設備や、治具などがそれです。 これらは、彼らからすれば〝仕入れ品〟になるということです。 その仕入れを安くするために、概ね2通りのパターンが発生します。
メーカーの都合で機能を省く。
まず、お客様にとって〝本当に必要な機能〟まで含めて製作してしまうと製作コストが嵩み、トータルの売価が高くなってしまうため、それを省いて製作するというパターンです。 要は、彼らの都合でグレードを下げるということです。 グレードを下げて安くした分、彼らの利益につながるということです。
しかし、これは製作物に限ったことではなく仕入れ品全般に言えることです。 概ね、メーカー純正と謳われているものは製作コスト優先で作られている場合が多いようで、必要最低限の機能なものが多いです。 ちなみに、ここでいう必要最低限の機能とは、あくまで、〝彼らにとって〟ですので、注意してくださいね。
製作サイドを叩く。
もうひとつが、製作者側に無理をさせコストを下げさせるという方法、もしくは、安く作ってくれるところを探して作らせるという方法です。
本体も安くしてるから、これにはお金はかけれない。
うちの仕入れになるので、とにかく安い仕様でお願い!
そうやって納められた製作物はメーカーサイドの都合が大きく反映されているため、お客様にとって使い勝手がいいとは言い難く、のちにお客様にて買い直すという羽目になってしまうのです。
… 正直、そういう状況をよく見てきました。 実際、弊社には、『メーカーから買ったのですけど、使い勝手が凄く悪いので、なんとかしたいです。』 という相談も多いです。 なので、裏ではそういうカラクリがあるということを頭の片隅にでもおいてもらえればいいですね。
見積額をどんどん下げるようなところは注意が必要です。 時には、その値段の根拠を尋ねてみるのも一考です。 安物買いにならないように、まず、第一はその営業マンが、誠実で正直であり、会社として適正なモノを適正な価格で提示しているか? を見極めることが大切です。
技術的なスキル。
営業担当として訪問してくるということは、その担当が当初の【相談窓口】になるということです。
ごくたまに知識や経験の浅い営業マンもいらっしゃるようですが、基本的には自分のところが扱っている製品のことを知っていることは、すごく当たり前のことです。 そこで確認したいのは、自分たちの製品知識の他にどれだけ周辺知識や経験を持っているか? です。
例えば、
作業者への作業負荷を減らす方法は?
自分たちの作業現場に最適な方法は?
どうやれば印字作業時の作業性がアップするか?
など、具体的な方法を知ってるということがキーポイントになってきます。 そもそも論から言えば、うちの現場にインクジェットを導入できるか? まずそこなのですけど、その場合でも、インクジェットのデモ機をもってきて、その場でサンプルつくって 『ハイっどうぞ~ これでできますよね!』 っていう確認だけじゃダメなのです。
対象物を渡してサンプルを依頼した場合であっても同様です。 こと、持ち帰りでのサンプルづくりでは、メーカー側に都合のいい方法で作られている場合が多いものです。 〝サンプル品=きれいであること〟という認識があるので、極力きれいに、丁寧にできる方法でサンプルがつくられている場合が多いということです。
これが何を意味しているのかわかりますか?
つまり、実際の運用として適用できるかどうかは二の次で、大きくかけ離れている場合があるということなのです。 なので、サンプルを受け取った際には、実際にどのような方法でそれを作ったのか? 詳しく聞くのが無難です。 逆に言えば、『こうやれば、できますよ!』 という具体的な事例や知識を持ってるのが望ましく、信頼が持てますよね。
また、もし、その営業マンに技術的なスキルがなくても、技術力がある〝ブレイン※〟を持っているかどうか? ということも重要になってきます。 その点は、会って話をすればおのずとわかってくるはずです。 だから、実際に会ってみるっていうのがベストなのです。 (※ その営業マン個人もしくは会社としての人脈)
メンテナンス体制。
インクジェットって日常的に使うものですから、どうせならメンテナンス部隊をもってるところがベターですよね。
直ぐに代替え品を送ってくれるのもよいかもしれませんが、代替え品の場合は、それが到着するまでの時間がネックになりますし、セットアップも自分たちでする必要があります。 逆に、フィールドエンジニア(サービス)が飛んできて見てくれるのなら、安心感があっていいですよね。 どこが悪いのかのアドバイスも頂けるでしょうし、今後の対策も打ちやすくなります。
また、フィールドエンジニアがいなくとも、担当営業がきちんと処理してくれるのも心強いです。 メーカーによっては、営業マンが技術担当を兼ねているところもありますので、そういうったことも事前に確認しておいた方がいいです。
まとめ。
まとめると、つまり!
インクジェットの器材本体や、それを扱っている会社だけで決めるのではなく、そこの営業マンと実際に会って対話してみて、
こいつは大丈夫そうだ。信頼できそうだ。
って思ったら、
技術的には、大丈夫だろうか?
メンテナンスの体制はどうだろうか?
そもそも、やってくれそうか?
そういったところを感じとる。 それがポイントです。
でも… もし、メーカーの機種が気に入ってて、担当営業マンが良くても、あんまり技術がなさそうなら… 直ぐに、電話くださいね~。 周辺機器の技術ではお役に立てます~!
時短設計®の視点で、印字作業現場を快適にするお手伝いをしています。
2022/02/01 Re-write