〝検収〟って、BtoC(一般の方がお客様)で商売をされている方なら、あまりなじみのない言葉かもしれませんが、商品を仕入れるときに検収作業をされていると思います。
こんちは、
マーキング・コトはじめ、担当ののけたろーです!
いつもありがとうございます! 感謝です。
さてさて。
検収についての考え。
まず、検収ってなんのためにするのか? をおさらいしておきましょう。

買い手が注文したモノをチェックして、
お金を払えるかどうかを決めること!
That’s Right! その通りです。 って、確かにそうなのです… けどね…
でも、その捉え方のニュアンス、ちょっと待ってください!
まず、ボクらが検収をどういう風に捉えているのか? ってことをお伝えすると、ボクらにとっての検収とは、
お互いを確認すること。
だと考えています。 そう、一方的ではなく、〝お互い〟のです。
ボクらの場合では機械製作を主としているので、検収とはつまり、
お客様がオーダーされた機体に、お客様の要望が盛り込まれ、お客様の期待した通りの出来になっているか?
ということをお客様側と創り手であるボクらの側の両方視点からお互いに確認し、お互いに最終的な了解をとることだと思っています。 なので、一方通行ではなく、あくまでも両方の作業。 つまり、完成した機体を通じて〝両者の意志の疎通を図る〟ということです。
〝弊社内検収〟をお願いしています。
検収を行う際はその条件として、〝弊社内検収〟 をお願いしています。 弊社内検収とは、字の通り弊社内で検収作業をして頂くことです。
しかし、検収時の条件にこれを書いてると、たまにこんな突っ込みを頂くことがあります。



検収はあくまで据えつけてもらううちの会社内が原則。
お宅では、試運転の確認だけだよ。
と。 まぁ、仰ってる意味はわかりますし、お気持ちは分からなくもないのですけどね… ではなぜ、うちがこの検収条件をお願いしているのか? そこをお話しますね。
それは、過去の苦い 貴重な経験からなのです。
実はそれまでは、ごくごく一般的な『据え付け調整後検収』というスタンスでやってました。 ….でも何度かこんな経験をしたのです。 それは、機械を創りました ⇒ 客先の現場に運びます ⇒ 据え置きます ⇒ 調整が終わりました… という状態から



ここに、あれを追加してくれ。
やっぱり、ここをこう改造してくれ。
検収はそれができてからということにしましょう。
… ということを平気で言ってくるお客様に遭遇したことが たびたび ありました。 据え置いた機体は、当然、打ち合わせ通りの仕様を満足させていますし、むろん、何の問題もなく運用が可能な状態であるにも関わらずです。
また、検収の時期をずらすというところも ザラに ありました。 時期をずらすというのは、据付け調整を行い、動作確認をしてからすぐの検収ではなく、1カ月以上使った後での検収ということです。
そう言ったところでは、概ね、それで難なく生産活動を開始されているのにも関わらず、



ここがダメ。
ここもダメ。
と、まるで重箱の隅をつつくような難癖をつけ、検収を渋ってくるのです。 検収を出さないということ=代金を払わないということになりますので、要は、出し渋りです。
過去の強烈な体験談… を少しお伝えしておきます。
また、他には、こういう経験もしたことがあります… これは、すごく忘れられない体験でした… 一種のトラウマです。
ある時、製作した機械での話です。
出荷前に弊社内で動作確認をして頂き、その時の担当者から



OKです! 問題ないです。
と〝お墨付き〟を頂きました。 お墨付きに安心して、現地に搬入し据え置きを調整作業を行っていると…



これじゃ、使えないから
ここを改造してくれ。
と、今度は手のひらを返したかのように、いろんな いいがかり 難癖をつけられて、仕舞には、



ここは、こうでしたよね?
と当初の打ち合わせにも、取り決めた仕様にもないことを言いだされ…。 それについてこちらが、
へ? でも、あの時、これで問題ないってOK頂きましたよ!
その点は当初のお話と違いますので、追加になります!
とお伝えすると、



いや、あの時OKを出した覚えはないです。
それに、この対応は当然サービスでしょ??
対応して頂かないと、検収はだしませんよ。
と、半ば恫喝・オドシのような感じで対応されたこともあります。 クライエントさんは、業界でも大手な会社です。 そんな会社がまさか、こんな対応をしてくるとは… ちょっと信じられませんでした。
うそ? って思われるかもしれませんがホントにあったハナシなのです。 経験則からいうと、大手ほどこの手のことをする傾向にあるようです。
誤解を恐れずに言えば、〝大手〟という看板やネームバリューの後ろ盾で、それに勘違いした社員が偉そうな態度をとってるという感じでしょうか。
また、その当時のことを言えば、確認に来た担当が何の決定権ももたない ペーペーさん 新人さんだったようで… そんな輩を回してくるなと言いたいのですけど… しかしどんな立場であれ、会社から任されて来てる以上は〝責任者〟です。 新人もクソもありませんよね。
その時の状況をもう少しお話しすると…
据え付けて、いざ、検収ってなると打ち合わせでもお会いしたこともない見たこともない 偉そうな関係のない部署 方々が、ぞろぞろどっと押し寄せてきて、ものすごく威圧的な態度で、アレがアカンとか、ココがアカンとか… 言いたい放題に言ってくる始末。
頼みの綱のうちに確認しに来た担当者は、権力なしのペーペーなので、 もう、上司連中の言われるまんまに、そのままこちらにぶつけてくるのです。 しかし、当然決めた仕様で作っているわけですし、こちらも
xxさんにOK頂いたので、本日据えつけさせてもらいました!
と。 しかし、言ったところでそんな話は素直に聴きいれてもらえるわけもなく… まるで、社内の序列を客先である我々にまでぶつけるような感じで、且つ、



オレ達は、xxだ!
下請けは黙って従っとけばええんじゃ!
検収ださんぞ!
的に、会社の規模や権力をたてに、ホントに一種のオドシでした。 そうやって検収をあげる云々を盾にして強気で言えば、何とかしてもらえるって本気で思ってらっしゃるみたいでした。 『お金を出す方が偉いんだよ!』 みたいなね。
どことは言えないのがツライとこなんですけど、某大手のCMのキャッチコピーで突破と言ってる印刷会社さんです。(汗)
そんな状態に陥ったとしても、仮にボクらに潤沢な資金があれば、〝あ~そうですか。 機械、持って帰りますんで!〟 などと強気で言えるんですけどね。 (汗) しかし、ボクらとしても機械代を支払って頂かなれば元も子もありませんし、第一、外注先への支払いにもかかってくる一大問題でもあるので、そこは、グッっと堪え忍んで…
というよりも、耐えざるを得ない状況だったのです。
お金を受け取るまでが勝負….
これはほんと、創り手側の宿命なのでしょうね。 やりきれなさを痛烈に感じました。
でこの時、これにはパターンがあるなって気が付いたんです。
体験から得た気を付けるべきクライエントのパターン。
ボクが体験から得た気を付けるべきパターンはこれです。
担当でないものが、検収に口をだす。
機械を使いもしない者が、難癖や文句をつける。
担当さんの、地位や権力が低い。
担当部署間での政治色が強い。(序列がある)
あるいは、案件が商社経由である場合、
商社とユーザー(商社への発注者)のラポール(信頼)関係がない。
商社が客に媚び、創り手には辛くあたる。
などです。
また経験から言えば、会社さんの体質にもよるところも大いに関係してくるように思われます。 創業者のやり方や、部課長など上長のやり方がそれです。 加えて、その人個人が育ってきた職場環境というのも影響しているのも否めないです。
恐らくですけど、そういった会社は、全ての業者に対してそういう接し方をされているのだと思います。 もっとも、自分たちから見て上得意なところに対しては、逆に媚を売る… そんな感じです。 要は、裏表があるという感じ。
もっと言えば、社内の社員への教育もそういう「教え」で、やってるんでしょうね。 〝下請け業者には、強く接しろ!〟 って。 そういう雰囲気とか印象が伝わってくるのです。
そういう体験を得て、
じゃぁ、検収ってなんやねん??
ってと思ったのです。 で、出てきた答えが….
結論。
検収とは、まぁ、言うたら ニンジン ですわ。 そう、ニンジン。
お金を払う側からすれば、検収を通すかどうかで支払いの是非を決めれるのだから、相手の鼻先にブラブラ吊り下げて、『ほれ、ほれ! いう事きかんと、銭払わんぞ!』 みたいな、業者に対するニンジンだと思うのです。
それを踏まえて見渡すと、運用に支障のないにも拘らず、まるで重箱の隅っこをつつくようにアラを探すことを〝検収作業〟だと思われている会社さんも中にはいらっしゃるようですよね。
そもそものところで言うと、検収には 〝お金〟 が絡んでくるので納める側からすれば急所を キュッっと 握られているような状況でもあるのですよね。
実際、検収を引き延ばして、払い渋りをするところを見てると、〝あ~、お金を払いたくないんだなぁ〟 って思いますよね。 そりゃ、払う方からすれば先延ばしにする分、少しの楽ができますもんね。
ここまで読み進められてきて、それでも
しっかし、今どきそんな会社なんてあるの?
信じがたいわ。
って、思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。 でも、繰り返しますが、これはボクらの体験であり、業者に対して、一種のパワーハラスメントのようなことを今でもされてる会社さんがいることも事実です。
下請けを守るために〝下請法〟という法律がありますが、それがあっても同じです。 法律があろうが、やる会社は、やる。しみついた体質は抜けないみたい… というか、全く感じていないのだと思います。
ともあれ、どんな業種・業態であれ、納める側からすれば検収を挙げてもらえるかどうかは、〝死活問題〟です。 払ってもらえない場合は、こちら側の外注先への支払いにも影響してきますから、当然、会社の生き死ににも直結します。 もっと言えば、それに関連している全ての会社に影響がでるということです。
じゃぁ、すぐに検収を挙げてもらえるような
完璧なのを納めればええやん!
って思われる人もいるかもしれないだろうけど、仮に完璧なものを納めても、検収を伸ばすところは伸ばすのですから、それだけの問題ではないのですよ。 だからこそ、『弊社内検収』 って一文をいれるようにしたというわけです。
しかし、検収作業は納入した客先内で行うのが筋じゃないのか? と言われれば、それは当然のことです。
弊社内検収を条件に入れてはいますが、納めた後、何もしないわけじゃありません。 当然、納めた後には確認をしてもらってます。 簡単に言えば、弊社内検収とは〝これで相違ございませんよね?〟と言う互いの事前確認です。
仮に、〝検収作業は据付設置後貴社現場内にて〟 と言う条件で検収作業を実行して、もし、現地で大きな相違が見つかった時、お互いに不幸になり得ますよね。 だからこそ、お客様の元に納まる前に 納得いくまで、十分に確認して頂いて、
据えつけた後は、その箇所を再確認して頂くという流れ でというスタンスにしたのです。
お互いにムリのない流れだと思うのですけど、どうでしょうか? それでももし、



検収はうちの現場でするから
お宅ではしない!
と言われるのであれば、申し訳ないのですが、その依頼をお断りさせていただきます。 お互いの条件が違うのですから、仕方がないですよね。 それに、今までお伝えした通り、これがボクらのポリシーですから…
理解してもらえるところと末永く善きお付き合いをしていきたい! ただ、それだけなのです。
時短設計®の視点で、印字作業現場をより快適にしていく活動をしています。
2022/02/02 Re-write