このページでは、容器の底面印字を安定させる方法として「グリップコンベア」を選ぶ理由と、選定時に押さえるべき3つのポイントを解説しています。
はじめに|底面印字、地味に悩ましいですよね
容器の底面に印字したい、という相談。
実は、そんなに珍しい話じゃありません。
ただ、いざやってみると、
- 印字が安定しない
- 位置が微妙にズレる
- 調整にやたら時間がかかる
…と、思った以上に手こずることが多い工程でもあります。
底面印字が難しいのは、単純に「下にあるから」ではなくて、
- 容器の姿勢
- 搬送中の揺れ
- 印字ヘッドとの位置関係
- 工程全体との兼ね合い
こういった 工程の要素が絡んでくるから、なんですよね。
ここでは、底面印字を成立させるための考え方を整理しながら、その中で 「グリップコンベア」という選択が、なぜ現実的なのかを順番に見ていきます。
底面印字がやりにくく感じる理由
底面印字で一番やっかいなのは、容器と印字ヘッドの関係が、けっこうシビアなところです。
容器がほんの少し揺れただけでも、
- 印字位置がズレたり
- 文字が欠けたり
- 品質にバラつきが出たり
ということが起こります。
しかも底面って、作業中にパッと見て確認しづらい位置でもあります。
その結果、
- 調整に時間がかかる
- 人が手を出さないと成立しない
- チョコ停の原因になる
といった、じわじわ効いてくる負担が出やすい工程なんです。
底面印字を安定させるために
大事なこと
底面印字を安定させるうえで、まず押さえておきたいポイントがあります。
容器と印字位置の「再現性」
毎回きちんと同じ位置に印字したいなら、容器と印字ヘッドの位置関係が、常に同じである必要があります。
これは、印字機そのものの性能というより、搬送中に容器をどう扱っているかの話だったりします。
揺れや傾きを、どう抑えるか
搬送中に容器が揺れたり、傾いたりすると、印字はどうしても不安定になります。
なので現場では、
- ガイドを当てたり
- 容器を支えたり
- 治具を使ったり
いろんな工夫がされてきました。
ただ、ここで大事なのは、無理な対策を後から足さないこと。
工程そのものが安定していれば、余計な調整や補正は、そもそも要らなくなります。
【グリップコンベア】という選択。
こうした前提を踏まえたときに、底面印字と相性がいい方法のひとつがグリップコンベアです。
グリップコンベアって、どんなもの?
グリップコンベアは、容器の側面を挟み込んだ状態で搬送する方式です。
ただ運ぶだけじゃなくて、
- 容器の姿勢を保つ
- 揺れを抑える
- 位置を安定させる
といった役割を、搬送しながら自然にやってくれます。
なぜ、底面印字と相性がいいのか
底面印字で求められるのは、「きれいに印字できること」そのものよりも、
- 毎回同じ位置で
- 無理なく
- 継続して
成立することだったりします。
グリップコンベアは、容器を左右から保持しながら搬送するため、
- 搬送中の揺れが出にくい
- 姿勢が安定しやすい
- 印字位置の再現性が高い
といった特性を、工程の中で自然につくることができます。
だからこそ、底面印字を「特別な工程」にせず、
ラインの一部として組み込みやすい。
ここが、グリップコンベアが
底面印字と相性がいいと言われる理由です。
グリップコンベアの選び方。
実は、価格だけで判断して失敗した、という話は、かなり「あるある」だったりします。(´Д`ι)
でも、いくつかのポイントを押さえて選定すれば、必要以上に悩むことなく、安心して使える装置になります。
ここでは、グリップコンベアを選ぶときにボクが特に気を付けて見ているポイントを整理してみます。
グリップコンベアを選ぶときの
3つのポイント
グリップコンベアを選定する際に、最低限、押さえておきたいポイントは【3つ】あります。
それが、次の3点です。
- ベルト表面の材質と形状
- ベルト裏側の構造
- 搬送上のスペック
では、順番に少しずつ見ていきましょう。
① ベルトの表面の材質と形状
まず最初に見るのが、ベルト表面の「材質」と「形状」です。
ここは、グリップコンベアの要とも言える部分で、いわゆる〝グリップ性能〟に直結します。
グリップ性能とは何か
グリップ性能とは、搬送物(ワーク)を滑らせずに、安定して保持できるかどうか、という性能です。
グリップコンベアは、「挟んでモノを搬送する」コンベアなので、ベルト表面には、ある程度の滑りにくさが求められます。
滑りにくければ何でもいい、ではない
ただし、滑りにくければ何でもいい、というわけではありません。
グリップしたときに、ワーク表面にキズを付けてしまうような材質や形状はNGです。
ベルト側の性能だけでなく、
「ワークとの相性」を見ることが重要になります。
見落とされがちな「耐久性」の話
もうひとつ、注意しておきたいのが、ベルト材質の耐久性です。
たとえば化粧品用途では、ウェットスポンジの表面にジャージを貼り合わせたタイプのベルトが使われることがあります。
ただ、このタイプの場合、
- 貼り合わせたジャージが剥がれてくる
- 経年でヨレが生じ、表面に凹凸が出てくる
といったケースも、実際には見受けられます。
劣化が起きると何が問題か
こうした劣化が進むと、
- 搬送中に滑りが出る
- グリップしにくくなる
- ワークの位置や姿勢が安定しなくなる
といった問題につながります。
導入直後は問題なくても、使い続けたときにどうなるか、という視点もここでは大切になります。
② ベルトの裏側の構造。
次に確認しておきたいのが、〝ベルトの裏側の構造〟です。
ここは、実際かなり見落とされがちなポイントで、グリップコンベア特有の盲点でもあります。
なぜ、裏側の構造を見る必要があるのか
なぜ、この部分の確認が必要かというと、グリップコンベアは、一般的な平ベルトコンベアとは使い方が違うからです。
グリップコンベアでは、ベルトを〝立てた状態〟で使用します。
つまり、ベルトは垂直の姿勢で走行することになり、プーリー(ローラ)から滑り落ちやすい状態で使われているということになります。
テンションだけでは防ぎきれない
普段、ベルトの位置は
テンション(張力)によって保持されています。
ただし、グリップコンベアの場合、
搬送物を挟み込むことで
ベルトに横方向の負荷がかかります。
この負荷が加わったときに、条件次第では、ベルトが下方向へ落下してしまう可能性が出てきます。(※下図参照)

裏桟の有無=落下防止策の有無
ここで確認しておきたいのが、ベルト裏側に「裏桟」などの落下防止構造が設けられているかどうか、です。
裏桟の有無を確認するというのは、言い換えると、
「ベルトの落下を防ぐための対策が、きちんと考えられているか?」
を見ている、ということになります。
重量物だけの問題ではない
この話は、次の「搬送上のスペック」にも関係しますが、特に重いものをグリップする場合は、ベルト脱落のリスクが高くなります。
では、搬送物が軽ければ、この問題は無視できるのか? というと、そう単純でもありません。
ベルトは常に「蛇行しながら」走っている
というのも、ベルトは常に真っ直ぐ走行しているわけではなく、実際には、蛇行しながら走行しているからです。
これはコンベアのメカニズム上の話で、ベルトは走行中、
- 安定する方向へズレ
- 元に戻ろうと復元し
この反復を繰り返しながら、全体として位置の安定を保っています。
軽量品でも起こりうるケース
軽量品であっても、
- 搬送頻度が高い
- 絶え間なく連続搬送される
といった条件が重なると、この「復元」が追いつかず、結果としてベルトが落下してしまう場合があります。
実際に起きたトラブルの話
実際に、落下防止対策がとられていないグリップコンベアを使用していて、
- 搬送中にベルトが落下
- 製品が割れてしまった
というトラブルを聞いたことがあります。
問題は「製品破損」だけではない
もちろん、製品が損傷するのも大きな問題ですが、それ以上に厄介なのが、ベルトが落下したあとの復旧です。
ベルトが外れてしまうと、元に戻すまでに時間がかかり、生産そのものが止まってしまうのです。
現場では致命的になりやすい
生産現場でこういったトラブルが起きると、かなり致命的です。
もし、それが頻発するようであれば、製品ロスだけでなく、生産計画全体への影響も無視できません。
だからこそ、ベルト裏側の構造については、事前にしっかり確認しておきたいポイントなのです。
③ 搬送上のスペック
最後に確認しておきたいのが、〝搬送上のスペック〟です。
ここは、グリップコンベアを選定するうえで、かなり重要なチェックポイントになります。
見るべきは「重さ」だけじゃない
まず意識したいのが、搬送物の重量です。
ただし、ここで注意したいのは、「搬送物1個あたりの重量」だけで判断しないこと。
実際には、搬送の〝頻度〟まで含めて考える必要があります。
押さえておくべき視点
つまり、見るべきポイントはこの2つ。
- どれくらいの重さのモノを
- どれくらいの頻度で搬送するのか
この組み合わせが、グリップコンベアのスペック選定ではとても重要になります。
なぜ「頻度」が重要なのか
なぜ頻度まで見る必要があるのか。
たとえば、搬送物1個の重さが1kgだったとします。
一見すると、「1kg対応のコンベアで十分」と考えがちですが、実際の搬送状態をもう一段、見てみる必要があります。
同時に流れる数で、負荷は変わる
もし、機長(搬送距離)の中で、同時に3個の搬送物が流れるのであれば、グリップコンベアには、1kg x 3個分=3kg の負荷がかかっているということになります。
つまり、搬送荷重として考えるべきなのは「1kg」ではなく「3kg」なのです。
実際の搬送重量の考え方
グリップコンベアの選定では、
- 搬送物1個あたりの重量
- 機長上で同時に搬送される個数
この2つを掛け合わせた〝実際の搬送重量〟を基準にスペックを決める必要があります。
スペック決定の基本
まとめると、
「1個の重さはいくらか?」
「同時にいくつ搬送する可能性があるか?」
この2点を整理したうえで、それに見合ったスペックを選定する。
ここを押さえておくことで、過不足のないグリップコンベアを選びやすくなります。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございます。
最後に、グリップコンベア選定で一番大事だと思っていることをお伝えします。
価格の根拠を、きちんと見ること
ポイントは「価格の根拠を見極めること」です。
これは、すごく当たり前の話なんですが、実際には、ここで失敗してしまうケースが本当に多いと感じています。
なぜ、安くできるのか
製品というのは、売価と製造原価(製造コスト)の差がそのまま利益になります。
なので、売価を下げて販売しようとすると、必然的に、どこかで製造コストを抑える必要が出てきます。
実際、「売価を下げて数を出す」という考え方を取っているメーカーもあります。
グリップコンベアは、簡素化しやすい装置
グリップコンベアという装置は、正直なところ、簡素化しようと思えば、いくらでも簡素化できます。
- モーターのグレードを下げる
- ベルト材質を変更する
- フレーム構造を簡素にする
こうした選択を重ねれば、
製造コストを下げることは可能です。
安いこと自体が、悪いわけではない
もちろん、「できるだけ低予算で、妥当なものを買いたい」というのは、ごく自然な感覚だと思います。
実際、使用条件とスペックが合っていれば、価格が安くても問題なく使えるケースもあります。
安いこと自体が、悪いわけではありません。
それでも「しっくりこない」理由
それでも、「メーカーと話して決めたはずなのに、しっくりこない」「この買い物、失敗だったかもしれない」と感じてしまうことがあります。
その原因のひとつが、【メーカーとユーザーの認識のズレ】です。
「認識のズレ」が生まれやすい構造
このズレが生まれやすい背景として、知っておいてほしいことがあります。
グリップコンベアは、印字機器メーカーの標準品や付属品として扱われることが多く、実際には外部から調達されるケースが少なくありません。
その場合、印字機器メーカーから見れば、グリップコンベアは「仕入れ品」です。
となると、仕入れコストを抑えたい、という意識が働き、必要最低限のスペックにまとめられることもあります。
問題は「用途とのズレ」
問題になるのは、その仕様が、「印字機器としては成立している」一方で、実際の搬送条件や使用環境には合っていない場合です。
ユーザー側としては、「標準品だから安心」と感じやすい部分でもあるので、ここでズレが生じやすくなります。
失敗を防ぐために大事なこと
だからこそ、
- その価格は、どんな前提で成り立っているのか
- どんな条件までを想定しているのか
これを、メーカーとユーザーの双方できちんと共有しておくことが大切です。
ここが共有できていないと、「安かったはずなのに、しっくりこない」という結果につながりやすくなります。
いい取引にするために
メーカー側は、「なぜ、その価格にできたのか」を伝える。
ユーザー側は、「何を、どんな環境で使いたいのか」を伝える。
このやり取りができていれば、後悔のない選択ができるはずです。
どうせなら、お互いに「ああ、いい取引をしたな」と思える形で進めたいですよね。
それが、後悔しないグリップコンベア選びにつながります。
グリップコンベアの製作事例
生産現場にとって、作業は毎日のことです。
だからこそ、ほんの些細なトラブルであっても、作業者にとっては大きなストレスになりますし、現場全体の空気にも影響します。
生産現場で本当に大切なのは、派手な機能よりも、日々〝安定して〟使い続けられること。
ボクは、トラブルなく、当たり前に動き続けることこそが、一番の価値だと思っています。
そんなことを常に念頭に置きながら、グリップコンベアの設計・開発を行っています。
正直に言うと、うちのグリップコンベアは、他と比べると高いと感じられるかもしれません。
でも、安価な製品を導入してトラブルが頻発し、そのたびに現場が止まったり、結果的に買い替えが必要になったりすることを考えると、決して高い買い物ではないと考えています。
「何かあってから買い替える」というのは、生産現場にとっては、コストだけでなく、時間も気力も削られる選択です。
そうならないために、最初から“どう使われるか”をきちんと考えた装置をつくる。
それが、ボクらのスタンスです。
動画で見るグリップコンベアの実例
実際、うちのグリップコンベアがどのようなものなのか? 言葉で説明するよりも、まずは見てもらうのが一番だと思います。
動画は一例ですが、用途や条件に応じて仕様は異なります。下記に、これまでの製作事例もまとめています。
これまでの製作事例
これまでに製作してきたグリップコンベアの事例をまとめています。
レンタルという選択肢もあります
いきなり購入するのではなく、まずは使ってみる、という選択肢も用意しています。
一定期間ご利用いただく「サブスクリプション型」です。
グリップコンベアのレンタルから試したい方はこちらから。
「自分の現場にグリップコンベアが合うかどうか分からない」
「条件が特殊で選定に迷っている」そんな状況でも大丈夫です。
まずは、話してみませんか?
印字工程や作業のこと、搬送のこと、
どこから手をつければいいかわからない段階でも大丈夫です。
うまくまとまっていなくても構いません。
いま感じている「引っかかり」を、そのまま話してみてください。
※ 売り込みを目的とした対応は行っていません。
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