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ダブルベルトコンベア|薄物ワークでも印字トリガを安定させる搬送

薄いワークほど、「流せるのに検出できない」ことがあります

シート状の製品や薄いワークをコンベアで搬送しながら印字するとき、意外と難しいのが印字するタイミングへのトリガの検出です。 

製品そのものは問題なくコンベア上を流れている、でも、センサーでうまく検出できない。

特に厚みのないワークでは、コンベアの横からセンサーの光軸を取ろうとしても、検出したい位置とベルト面との距離が近くなり、センサーを配置しにくいことがあります。 

印字機器は準備できている、ワークも流せている…。 

それでも、印字するためのトリガが安定して取れなければ、連続した印字工程としては使いにくくなってしまいます。

そんなときに、センサーをどこに置くかだけを考えるのではなく、センサーで検出しやすい搬送方法そのものをつくる、という考え方があります。 

そのためのひとつの方法が、ダブルベルトコンベアです。

2本のベルトの「間」を使います

ダブルベルトコンベアの特徴は、並列した2本のベルトでワークを搬送することです。

一般的な1本幅のベルトコンベアでは、ワークの下側はベルトです。 一方、2本のベルトを並列に配置すれば、その間にベルトのない空間をつくることができます。

この空間が、薄物ワークを検出するときに役立つのです。 

コンベア上方にセンサーを配置し、2本のベルトの間へ向けて光軸を取れば、ベルトそのものに邪魔されることなく、上からワークを検出できるようになります。

つまり、ベルトの間に光軸を通せる場所をつくり、薄いワークでも印字トリガを取りやすくする。 ということが、このコンベアを使う大きな理由です。

なぜ、薄物ワークではトリガが取りにくいのか

印字工程では、ワークが所定の位置まで来たことをセンサーで検出し、その信号(トリガといいます)を使って印字するタイミングを取ります。 

箱や容器など、ある程度高さのあるワークなら、コンベアの側面から検出ができます。 ところが、シート状のものをはじめとした薄物ワークでは事情が変わります。

ワークの厚みが小さいため、横方向から検出しようとするとセンサーの光軸をベルト面ぎりぎりに設定しなければならず、センサーの配置や調整が難しくなることがあります。

最近では厚みを検出できるセンサーもありますが、ワークが薄すぎる場合、例えばフライヤー(チラシ)のような製品では、厚みへの落差が乏しく、検出が難しいという問題があります。 

加えて、厚みで判断ができるような高機能なセンサーはコストの面で、割高になります。  

だからといって、ワークを検出するためだけに複雑な機構を追加すればよいとも限りません。 

そこで、汎用センサーを使って、最初からセンサーの光軸を取りやすいコンベアにしておく、という考え方をします。

上から検出できる場所を、搬送面につくる

ダブルベルトコンベアでは、ワークは並列した2本のベルトにまたがるようにして搬送されます。 搬送するワークの直下には、ベルトのない部分があります。 

この部分を使って、コンベア上方からセンサーの光軸を通すことで、ワークが通過したときの検出を行いやすくします。 こうして得られた信号を印字トリガとして使うことで、薄物ワークでも印字のタイミングを取りやすい工程をつくることができます。

安定した印字を行う上で、トリガが毎回安定して検出されることが必須です。 なので、大切なのは、搬送と検出をひとつの工程として考えるということです。

実は…。 ベルト間隔を安定させるのに、苦労した時期があります。

正直に言うと、コンベアを作り始めた初期の頃は、蛇行への対応や機構への組み込み方が十分ではありませんでした。

ダブルベルトコンベアの場合、2本のベルトは、それぞれが独立して蛇行します。 片方だけがズレても、もう片方は正常でも、結果としてベルトとベルトの間隔が一定でなくなってしまうんです。

間隔が一定でなければ、そこに通しているセンサーの光軸もズレてしまい、検出そのものが不安定になります。 まさに、このコンベアの一番大事な部分が崩れてしまうということですね。 

当時は、この蛇行を機構でどう抑えるかという部分の詰めが甘く、かなり苦労しました。 その時の経験から、今は、蛇行についてを十分に理解し、それを抑える機構を組み込んでいます。

なので、蛇行することなく、間隔が一定に保たれた状態で搬送できています。

こんな印字工程で検討できます

こんな印字工程で検討していただけます。

シート状などの薄物ワークへ印字したい

厚みのある箱や容器と違い、薄物ワークでは側面からの検出が難しくなることがあります。 並列したベルトの間を利用することで、コンベア上方からワークを確実に検出する方法を検討できます。

センサーを横から設置しにくい

ワークが薄いために光軸を取りにくかったり、コンベアのフレームやガイドとの関係でセンサーを配置しにくかったりする場合があります。

そんなときには、「どこにセンサーを付けるか」だけではなく、センサーを使いやすい搬送構造へ変えることも選択肢になります。

印字トリガを安定して取りたい

搬送そのものができていても、ワークを確実に検出できなければ、安定した印字工程にはつながりません。 

搬送、検出、印字を別々に考えるのではなく、ワークが流れてきたことをどこで検出し、どのタイミングで印字するのかまで含めて工程を考えます。

ダブルベルトコンベアだけで決まるわけではありません

薄物ワークだから、必ずダブルベルトコンベアが必要というわけではありません。

対象物の大きさや形状、材質、搬送方向、印字位置、使用するセンサー、搬送速度などによっては、別の方法で検出できることもあります。

既存のコンベアを活かせるのであれば、その方が設備を大きく変更せずに済むかもしれません。 逆に、センサーだけを工夫するよりも搬送方法から見直した方が、シンプルで扱いやすい工程になることもあります。

マーキング・コトはじめでは、最初からダブルベルトコンベアありきでは考えません。

何を流して、どこで検出して、どこへ印字したいのか? その一連の流れを確認したうえで、適した方法を考えます。

参考価格

目安として、約50〜80万円です。

実際の価格は、コンベアの長さや幅、ベルト仕様、搬送速度、センサーや制御の内容、前後設備との接続方法などによって変わります。

ダブルベルトコンベアは、2本のベルトの間を利用してワークを検出しやすくするための方法です。そのため、コンベア単体の仕様だけではなく、実際のワークとセンサーの位置関係まで確認して構成を考えます。

また、薄物ワークだからといって、必ずダブルベルト方式にする必要はありません。既存のコンベアや別の検出方法で対応できるのであれば、その方法も含めて検討します。

「この薄いワークを安定して検出したい」という段階から、対象物と現在の工程を確認しながら検討できます。

製作・改善事例

ダブルベルトコンベアについては、底面印字へのさまざまなアプローチをまとめた記事でも紹介しています。

底面印字の方法まとめ

底面印字に対応したダブルベルトコンベアの実機写真。

導入までの流れ

STEP
まず、ワークと印字したい場所を確認します

「ダブルベルトコンベアが欲しい」というところまで決まっている必要はありません。 

何を搬送するのか、どこへ印字するのか、現在どのようにトリガを取っているのか? そして、どこで困っているのか。

まずは現状の工程を確認します。

STEP
搬送と検出を一緒に考えます

対象物の寸法や材質だけではなく、現在使用している印字機器やセンサーの種類、搬送速度、前後工程なども確認します。 そのうえで、2本のベルトの間を利用した検出方法が適しているのか、それとも別の方法がよいのかを検討します。

STEP
方向性が決まってから仕様を決めます

ダブルベルト方式が適していると判断できれば、ベルト間隔やコンベア寸法、搬送条件、センサー種類や配置などを具体化し、仕様と費用をご提案します。

「この薄いワークに印字したいのだけど」からご相談ください

薄物ワークへの印字を考えていると、印字機器の選定には目が向いても、ワークをどう検出するかは実際にラインを組む段階になって初めて問題になることがあります。

センサーを変えるべきなのか。 コンベアを変えるべきなのか。 そもそも、別の検出方法があるのか?

最初から答えを決めていただく必要はありません。 対象物の写真や寸法、現在の工程が分かれば、ダブルベルトコンベアを使う方法も含めて、一緒に整理できます。

印字機器だけではなく、ワークが流れて、検出され、印字されるところまで。現場で無理なく使える方法を一緒に考えます。

まずは、話してみませんか?

「ワークは流れているのに、印字のための検出がうまくいかない」

そんな場合は、対象物や現在の搬送方法について聞かせてください。

ワークの写真や寸法、現在のセンサー位置などが分かれば、ダブルベルト方式が合いそうなのか、別の方法で対応できそうなのかを一緒に整理できます。

※ 大青鉄工の相談ページへジャンプします。


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