「流せる」と「きちんと印字できる」は、少し違います
コンベアに製品を載せれば、搬送されていきます。 でも、そこで実際に印字しようとすれば、
「印字位置が安定しない」
「製品が傾いてしまう」
「印字したい場所にヘッドを向けられない」
「結局、人が製品の向きを整えている」
そんなことがあります。 印字機器そのものには問題がなくても、搬送中に製品の姿勢が安定しなければ、狙った場所へ安定して印字するのは難しくなります。
そこで考えたいのが、製品をただ載せて運ぶのではなく、必要な姿勢で保持しながら運ぶという方法です。 マーキング・コトはじめでは、印字する対象物をベルトで左右から保持して搬送することで、印字しやすい状態をつくるためのコンベアを提供しています。
何のために、製品を挟んで運ぶのか?
グリップコンベアの目的は、ただ製品を挟んで運ぶこと… だけではありません。 目指しているのは、人が手を添えなくても、印字しやすい状態が保持され、搬送されるという工程です。
手を添えなくても、印字位置がズレなくなる。
コンベアに載せただけでは、製品が傾いたり、左右へ動いたりすることがあります。 ベルトで両側からはさんで搬送すれば、そうした動きを抑えられます。
搬送時に製品の姿勢が安定すれば、自ずと、印字の位置も安定します。
諦めていた面にも、印字できるようになる。
通常のベルトコンベアは、製品の底面がベルトに接した状態で搬送されます。 なので、下側から印字のはできません。 でも、製品の側面を両側から保持すれば、底面を開放したまま搬送することができ、下側からのアプローチができます。
底面印字についてさらに詳しく知りたい方は、[容器の底面印字を安定させる方法|グリップコンベアという選択]もあわせてご覧ください。
人がつきっきりにならなくても大丈夫。
製品の姿勢が不安定で、倒れないように手を添える。 流れてきた製品の向きをちょこちょこ直す。 印字機器へ一つずつ送り込む… そんな作業が残っている現場もあります。
一つひとつは小さな作業でも、そのために作業者が工程から離れられないのであれば、負担は小さくありません。 グリップ搬送で姿勢を保てれば、人が付きっきりにならなくても大丈夫な工程を考えられます。
グリップコンベアの仕組み
グリップコンベアは、左右に配置したベルトで対象物を保持(グリップ)しながら搬送する方式です。 対象物の姿勢が保持できるので、一般的なベルトコンベアよりも安定した搬送が可能です。
ただし、「挟めば安定する」というほど単純なものでもありません。
対象物の形状や材質、保持できる場所、搬送速度、製品にかけてよい力の強さ、前後設備との受け渡し方、そしてどこへ印字したいのか? これらの条件によって、適した構成は変わってきます。
マーキング・コトはじめでは、グリップコンベアという装置をそのまま当てはめるのではなく、対象物と実際の工程を見ながら構成を考えます。
こんな印字工程で検討できます
たとえば、こんな場面でグリップ搬送を検討できます。
製品の底面へ印字したい
製品の下面へアプローチできる搬送構成を考えます。
搬送中の姿勢を安定させたい
一般的なコンベアでは傾いたり姿勢が変わったりしてしまう対象物も、保持しながら搬送すれば姿勢を保てます。
印字位置のばらつきを抑えたい
原因が製品の蛇行や姿勢の変化にある場合は、搬送方法を見直すことで改善できることがあります。
印字の揺らぎを失くしたい
搬送時の振動で印字した文字が歪んだり、揺らいだりする場合への対応策を考えます。
印字工程に人が付きっきりになっている
支える、向きを整える、送り込むといった人の作業を、搬送方法から見直せないか考えます。
既存の印字機を活かしたい
印字機器を買い替えるのではなく、前後の工程を整えることで対応できないか検討します。
グリップコンベアが向かない場合もあります
グリップコンベアは、『どんな製品にも使える万能な搬送方法』ではありません。
対象物によっては、保持すると変形してしまう、傷がつく可能性がある、安定して保持できる場所がない、あるいは別の搬送方式の方がシンプルに解決できる…。 といったこともあります。
その場合に、無理にグリップコンベアをおすすめすることはありません。 必要なのはグリップコンベアではなく、現場で無理なく印字できる工程だから、通常のベルトコンベア、ガイド、スライダー、別方式の保持機構なども含めて考えます。
実際に、グリップコンベアを使わずに底面印字を解決した事例もあります。
参考価格
これまで、グリップコンベアは案件ごとに仕様を確認し、ワンオフで設計・製作してきました。 その中で、毎回ゼロから設計しなくても対応できる用途については、標準型としてまとめています。
標準型グリップコンベア 本体価格 660,000円(税別)
標準型で搬送しやすいワークの目安や標準仕様、ベルトの種類については、標準型グリップコンベアのページで詳しく紹介しています。
一方で、ワークの形状や前後工程とのつながりによっては、標準型をそのまま使うより、一部を変更した方がよい場合や、グリップコンベア以外の搬送方法が適している場合もあります。
標準型に無理に合わせるのではなく、まず、その工程にどの方法が合うのかを考えます。
製作事例
実際に製作したグリップコンベアや、印字工程で搬送方法を見直した事例をご紹介します。
ここでは完成した設備だけでなく、なぜグリップ搬送を選んだのか、現場で何が問題になっていたのか、という部分も含めて紹介しています。
- 安易に選ぶと後で損するかも!後悔しないグリップコンベアの選び方。
- 振動や揺れがある容器充填後の搬送ライン上で、綺麗な印字を行う方法。
- 瓶・缶へのインクジェット印字が安定しない——ホールド搬送で解決した事例
- 産業用インクジェットで印字品質を高めるには、〇〇が鍵になります。

導入までの流れ
「グリップコンベアが欲しい」と決まっていなくても構いません。 何に印字しているのか、どこへ印字したいのか、今どんなことに困っているのか…。 まずはそのあたりから、お聞きします。
対象物の写真や動画、寸法、現在使用している印字機などを確認します。 必要に応じて、より詳しい条件をお聞きします。
グリップ搬送が適しているのか、通常のコンベアで対応できないか、それとも別の方法がよいのか。
機械を決める前に、まず方法を考えます。
グリップ搬送が適している場合は、まず標準型で対応できるかを確認します。 標準型のままでは難しければ、必要な部分だけを変更するのか、ワンオフで考えるのかを検討します。
方向性が決まったところで、必要な仕様と費用をご提案します。 内容をご確認いただいたうえで、製作へ進みます。
標準型で対応できそうなら
瓶や缶、ボトル、樹脂容器など、左右から保持しやすいワークであれば、まず標準型で対応できるかを確認することもできます。 標準型の仕様や価格を確認したい方は、こちらをご覧ください。
「この製品、グリップコンベアで流せる?」からで大丈夫です
設備の仕様まで決めてから相談していただく必要はありません。
「この袋を流したい」
「底面へ印字したい」
「今の印字機をそのまま使いたい」
「人が製品を支えている作業をなくせないか」
そんな段階からで大丈夫です。 写真や動画があれば、グリップコンベアが適しているのか、それとも別の方法がよいのかも含めて考えられます。
機械を選ぶところからではなく、今困っていることから聞かせてください。
※ 大青鉄工の相談ページへジャンプします。
