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印字工程の搬送・自動化設備|供給・整列・位置決めから考える

印字するために、「運ぶ前」から考えなければならないことがあります。

印字工程というと、製品をコンベアに載せて、プリントヘッドの前を通過させる姿を思い浮かべるかもしれません。

でも、実際の現場では、そこまで製品を持っていくこと自体が難しい場合があります。

ばらばらに供給される製品を、一つずつ切り出す。 向きをそろえる。 倒れない姿勢をつくる。 一定の間隔で送り出す。 印字できる位置へ合わせる。 必要なタイミングで検出し、印字したあとには次の工程へ受け渡す…。など。

こうした作業を、人が一つずつ判断しながら行っている現場もあります。

この製品は、こう置く」「少し傾いたら、ここを直す」「このタイミングで流す」など… 毎日の作業として当たり前になっていても、実は、特定の人の経験や感覚によって工程が成り立っていることがあります。

人手を確保しにくくなっている中で、一人のベテランがいなければ作業が進まない、また、担当者が変わると品質や生産性が変わる… という状態は、現場にとって大きな負担になります。

だからといって、人がしていることをすべて機械に置き換えればよい、というわけでもありません。

マーキング・コトはじめでは、今、人がどんな判断や作業をしているのかを確認しながら、機械に任せた方がよいところと、人が行った方がよいところを整理します。 そのうえで、

  • 製品の供給・切り出し
  • 整列・姿勢制御
  • ピッチ送り
  • 位置決め
  • 搬送中の保持
  • センサーによる検出
  • 印字位置との同期
  • 前後設備との受け渡し
  • 印字後の排出

といった要素を必要に応じて組み合わせ、印字工程そのものを設計・製作しています。

目指しているのは、単に印字を自動化することではありません。

特定の人が付きっきりにならなくても、同じように作業を進められる工程をつくること。

グリップコンベアやダブルベルトコンベアなど、比較的シンプルな方法でそこまでできるのであれば、それで十分です。 一方で、供給から姿勢制御、位置決め、印字、排出まで複数の動作を組み合わせる必要がある場合には、単体の機器ではなく、一連の工程として考えます。

「どの機械を使うか」からではなく、「この作業を、誰か一人の経験に頼らなくても続けられる工程にするには、どうすればいいか」から考える。

ここでは、そんな印字工程の搬送装置や自動化についてご紹介します。

インクジェットに限らず、レーザーやラベラーにも対応します

歯ブラシ用ブリスター包装機にインクジェットを組み込んだ事例画像
ブリスター包装機へインクジェット印字を組み込んだ事例。
対象物の搬送や印字位置を含め、包装工程の中で印字できるように構成しています。

マーキング・コトはじめでは、産業用インクジェットだけを対象にしているわけではありません。

レーザーマーカーやラベラー、刻印などでも、実際の工程では「どの機器を使うか」だけでなく、その機器に対して製品をどのような状態で持っていくのかを考える必要があります。

たとえば、製品の向きをそろえる。印字やマーキングを行う位置まで搬送する。決められた位置で検出する。必要であれば製品を反転させる。処理が終われば、次の工程へ受け渡す…。

使う機器が変われば、必要になる搬送方法や保持方法、位置決めの考え方も変わります。

だから、特定の印字方式や機器を先に決めて、それに現場を合わせるのではなく、対象物と現在の工程、何をしたいのかを確認しながら、その機器を現場で使える状態にするための周辺設備を考えます。

既存の印字機器やマーキング機器を活かしながら、前後の工程を改善することもできます。

なお、レーザーマーカーやラベラー、刻印などを使った実際の製作事例は、このページ後半の「製作・改善事例」で紹介しています。

単体の機器ではなく、一連の動作として考える

トレー供給、台紙供給を自動化し、溶着工程をへて、印字をおこなって、完成品まで一連で行うブリスター包装機
歯ブラシ用途のブリスター包装機の製作事例。
製品の搬送から包装、印字まで、それぞれを単独で考えるのではなく、一連の工程として設備を構成しています

供給、整列、搬送、位置決め、検出、印字、排出…。

それぞれの動作だけを取り出せば、難しいことをしているようには見えないかもしれません。 でも、実際の機械では、それぞれが別々に動けばよいわけではありません。

前の製品が所定の位置まで進んだら、次の製品を一つだけ送り出す。 製品の姿勢が整ったことを確認してから搬送する。 決められた位置まで来たら検出し、印字する。 印字が終われば、次の工程へ受け渡す。

こうした一つひとつの動きをつなぎ、工程として連続して動かす必要があります。

さらに、対象物の形状や材質によっては、機械の中で製品が引っ掛かったり、姿勢が変わったり、想定した位置で止まらなかったりすることもあります。 そのため、機械を考えるときには、単に必要な機構を並べるのではなく、

  • 製品がどのような状態で供給されるのか
  • 次の動作へ、どのように受け渡すのか
  • どこで製品の状態を確認するのか
  • 異常が起きたときに、どこで止めるのか
  • 品種が変わったときに、何を調整するのか
  • 作業者が日常的にどこを触るのか

といったところまで考えて、一連の動きを組み立てます。

自動化というと、人がしている作業をそのまま機械に置き換えるように思われるかもしれませんね。

でも実際には、人が無意識に行っている「少し向きを直す」「次を出すタイミングを待つ」「引っ掛かりそうなら手を止める」といった判断まで整理しなければ、機械としてうまくつながらないことがあります。 

だからこそ、完成した機械の形を先に考えるのではなく、まず現在の作業を見ます。

人が何を見て、何を判断し、どこを調整しているのか?

そこを整理したうえで、機械に任せる動作と、人に残す作業を決めていきます。

単体の機器では収まらない、複合的な工程も大丈夫です。

これまでご紹介した機器は、それぞれ単体で完結する改善方法でした。

ただ、作業の仕方によっては、搬送・検出・位置決め・供給といった複数の要素を、ひとつの工程としてまとめて設計した方がよい場合があります。

たとえば、ワークを自動で供給する部分から、姿勢を整え、印字位置まで運び、印字後に排出するところまで、ひとつのラインとして構成することもできます。

小さな改善の積み重ねではなく、工程全体を見直したいという段階からでもご相談いただけます。

「箱や袋の種類」そのものを減らせないか、
というところから考えることもあります

印字工程を見直すことで、機械の動かし方だけではなく、扱っている包材そのものを整理できる場合もあります。

たとえば、形状は同じなのに、品種ごとに異なるデザインの箱や袋を用意している現場があります。

それぞれを専用品として在庫するのではなく、箱や袋をできるだけ共通化し、品番やロット番号など、変わる情報だけを必要なときに印字する。

そうすることで、持つべき包材の種類を減らせる可能性があります。 ただし、SKUが減れば、それだけで工程全体が楽になるとは限りません。

印字する作業が増え、その作業を特定の人に頼るようになれば、在庫の問題を減らす代わりに、別のところで属人化が生まれることもあります。 だから、包材を共通化するときにも、

「在庫を減らせるか」だけではなく、「そのあと、誰がどうやって印字するのか」まで考える。

必要であれば、印字するための供給、搬送、位置決め、検出なども含めて、実際の運用まで見ながら工程を考えます。 包材のSKU削減については、以下の記事で詳しく紹介しています。

人手不足への対応は、「人を減らすこと」だけではありません

人手を確保しにくくなったことで、これまで人が行ってきた作業を自動化したい、という相談は増えています。 ただ、ボクらが考える自動化は、単純に「この作業をしている人を一人減らす」というものではありません。 

たとえば、製品を一つずつ取り出す。向きを確認する。印字する位置へ置く。流れ方を見ながら少し位置を直す。

こうした作業を毎日同じ人が行っていると、その人にとっては当たり前の作業になっていきます。 ところが、別の人に代わったときに、

「どの向きに置けばいいのか」
「どこを見て位置を合わせているのか」
「うまく流れないときに、何を直せばいいのか」

が分からない…。 そこで初めて、その工程が特定の人の経験や感覚に支えられていたことに気づく場合があります。

機械化を考えるときには、こうした人の作業を一つずつ見ながら、何を機械に任せれば、担当者が変わっても同じように作業を進めやすくなるのかを考えます。 

一方で、人が行った方が柔軟で、機械化するメリットが小さい作業まで無理に自動化する必要はありません。 すべてを自動化するのではなく、

機械に任せた方がよいことは機械へ。人が行った方がよいことは人へ。

その境目を考えることも、工程設計の一部です。 目指しているのは、

特定の人がいなければ動かない工程を減らし、誰か一人に負担が集中しなくても、生産を続けやすい現場にしていくこと。

印字工程の機械化も、そのための方法のひとつだと考えています。

こんなときに、ご相談ください

人が製品を一つずつ供給している

製品を取り出し、向きを確認して、印字できる状態にしてから機械へ投入している。

こうした作業では、単にコンベアを追加するだけではなく、製品をどう切り出し、どう整列させ、どのような姿勢で次へ送るのかというところから考える必要があります。

特定の人でなければ、うまく作業できない

製品の置き方や位置合わせ、機械の調整などを、担当者の経験や感覚に頼っている工程がある。

すべてを自動化するのではなく、その人が普段どこを見て、何を判断しているのかを整理し、機械に任せられる部分を考えます。

搬送だけでなく、供給・整列・位置決めまで考えたい

製品を運ぶだけでは解決せず、供給、切り出し、姿勢制御、位置決め、検出などを組み合わせなければならない場合があります。

単体のコンベアではなく、一連の工程として構成を考えます。

既存設備へ印字・マーキング工程を追加したい

現在使っている設備をできるだけ活かしながら、インクジェット、レーザーマーカー、ラベラーなどを組み込みたい場合にも対応します。

印字機器だけを取り付けるのではなく、対象物をどの位置へ持ってくるのか、どう検出するのか、前後工程とどうつなぐのかまで確認します。

どこまで自動化すればよいのか分からない

人手不足だからといって、すべてを自動化することが最善とは限りません。 現在の作業を見ながら、機械に任せる部分と人が行う部分を整理し、現場にとって無理のない範囲を考えます。

箱や袋の種類を減らし、その後の印字工程まで考えたい

包材を共通化してSKUを減らしても、その後の印字作業が人に依存すれば、別の負担が生まれることがあります。 包材の共通化だけで終わらせず、実際にどう供給し、搬送し、印字するのかまで含めて考えます。

決め打ちせず、まず今の工程を聞かせてください

「コンベアを作ってほしい」 「この作業を自動化したい」

そうした相談をいただいても、最初から機械の形を決めることはしていません。 まず確認したいのは、今、現場でどのように作業しているのかということです。

製品はどのような状態で供給されているのか。誰が、どこで、何をしているのか。品種が変わると何を調整しているのか。どこで手が止まり、どこに人が付きっきりになっているのか。

実際の工程を整理してみると、相談いただいた部分とは別のところに改善の余地が見つかることもあります。 反対に、機械を新しく作らなくても、今ある設備の使い方や工程の組み方を変えることで対応できる場合もあります。

だから、設備の仕様を決めてから相談していただく必要はありません。

「今、ここに人が付きっきりになっている」
「この作業だけ、担当者が変わるとうまくいかない」
「この製品を、どうやって印字できる状態まで持っていけばいいか分からない」

そんな現場の状態から聞かせてください。

その内容をもとに、既存設備を活かせるのか、単体の搬送装置で対応できるのか、それとも供給や整列、位置決めまで含めた設備を考える必要があるのかを整理していきます。

参考価格

印字用途の搬送装置や自動化設備は、対象物や工程によって必要な構成が大きく変わるため、一律の価格は設定していません。

シンプルな搬送装置で済む場合もあれば、供給、切り出し、姿勢制御、位置決め、検出、印字、排出までを組み合わせた設備になる場合もあります。

まずは対象物や現在の工程、改善したいことを確認し、どの程度の設備が必要になりそうかを整理します。 そのうえで、概算の方向性を確認しながら、具体的な設備の検討へ進みます。

なお、初期のご相談や設備の方向性を整理する段階と、具体的な機構の検討、構想図・レイアウト作成、詳細設計などの設計業務は分けて考えています。

詳細な構想や設計が必要になる場合は、その内容と進め方をご説明したうえで進めます。

製作・改善事例

これまで、印字機器を活用するための、その前後で必要になる搬送や位置決め、製品の動かし方を含めた設備を製作してきました。 ここでは、その一部をご紹介します。

製品を反転させ、表裏へレーザーマーキング

製品の表裏へマーキングするために、工程の途中で製品を反転させる機構を組み込んだ事例です。 無条件な両面対応ではなく、片面のみの場合は片面だけで済むように切り替えができます。 

単にレーザーマーカーを設置するのではなく、製品をどのように受け取り、反転させ、マーキングできる姿勢へ持っていくのかまで含めて設備を考えています。

ラベラーを使うための周辺設備

例えば、ラベルを手貼りする工程を、より効率的に効果的にしたい…。 という場合には、製品の供給や搬送、ラベラーとの受け渡しを含めて周辺設備を考えます。

既存の機器を活かしながら、その機器が使いやすい状態へ製品を持っていくことも、機械設計の仕事です。

製品に合わせた刻印装置

対象物へ刻印するために、製品の保持や位置決めを含めて、自動刻印装置として構成した事例です。

印字や刻印では、マーキングする機器だけでなく、「毎回、同じ状態で対象物を持ってこられるか」が工程の安定性に関わります。

カテーテルへのマーキング

一般的な箱やボトルとは異なり、細長く扱いにくい対象物へマーキングするための事例です。

形状が特殊な対象物をどのように保持し、どのようにマーキングを実現させるかを考えています。

包材のSKU削減から、その後の印字工程を考える

印字設備を考えることが、必ずしも「今の作業をそのまま機械化すること」とは限りません。

包材を共通化し、変わる情報を必要なときに印字することで、持つべき包材の種類そのものを整理するという考え方もあります。 設備を考える前に、工程そのものを変えられないかというところから考えた事例です。

導入までの流れ

STEP
まず、今の作業と困っていることを聞かせてください

機械の仕様を決めてから相談していただく必要はありません。

対象物の写真や動画、現在の作業方法、使っている印字機器など、分かる範囲で構いません。

「ここに人が付きっきりになっている」
「この作業だけ、担当者によってやり方が違う」
「この製品を自動で供給できないか」

といった現場の状態から確認します。

STEP
現在の工程を整理します

製品が現状、どのような状態で供給され、誰が何をして、どのように印字し、次の工程へ渡しているのかを確認します。

その中で、人が行っている判断や調整も見ていきます。

機械化した方がよいところ、人が行った方がよいところ、既存設備をそのまま活かせるところを整理し、どこを改善するのかを一緒に考えます。

STEP
どのような方法が合うのか、方向性を考えます

グリップコンベアや多品種対応コンベアなどの比較的シンプルな方法で対応できるのか?

既存設備の一部を変更すればよいのか。 それとも、供給、切り出し、整列、位置決め、搬送などを組み合わせた設備が必要なのか。

最初から大きな設備ありきではなく、まず、現在の工程に合う方法を検討します。

STEP
設備の方向性と、お見積りを確認いただきます

対象物や工程、必要になりそうな機能を整理したうえで、設備の方向性とお見積りをご提示します。

この段階で、考えている設備の内容と費用が合っているかをご確認ください。

仕様によっては、詳細を詰めなければ金額を確定できない場合もあります。 

その場合は、まず概算の費用感を共有し、どこまで検討を進めるのかをご相談します。

STEP
必要に応じて、具体的な構想・設計へ進みます

設備の方向性や費用をご確認いただいたうえで、必要に応じて具体的な機構やレイアウト、前後設備との接続方法などを検討します。

構想図やレイアウト作成、詳細な機構検討など、見積りのための確認を超える設計業務が必要になる場合は、その内容と進め方をご説明したうえで進めます。

STEP
製作・組立・調整

決定した仕様をもとに製作し、組立・調整を行います。

ワンオフ設備では、図面どおりに組み上げるだけではなく、実際に対象物を動かしながら、受け渡しや姿勢、位置決めなどを確認していきます。

可能な場合は、実際の対象物をお預かりして確認します。

STEP
納入後、現場で使える状態へ

設備は、完成したことがゴールではありません。

実際の現場で作業する人が、無理なく使い続けられることが大切です。

必要に応じて現地での据付や調整を行い、日常的にどこを操作し、品種が変わったときにどこを調整するのかなど、実際の運用まで確認します。

目指すのは、機械を入れることではなく、特定の人が付きっきりにならなくても、現場が無理なく生産を続けられる状態をつくることです。

「うちの場合、何から相談すればいい?」からで大丈夫です

「自動化したいけれど、どこまで機械に任せればいいのか分からない」
「今は人が製品を並べているけれど、ここを機械化できるのか知りたい」
「印字機器は決まっているけれど、そこまで製品をどうやって持っていけばいいのか分からない」

そんな段階からで大丈夫です。 機械の仕様や構成を決めていただく必要はありません。

まず、対象となる製品と、今どのように作業しているのか、どこで困っているのかを教えてください。

写真や動画があれば、言葉だけでは伝えにくい製品の動きや、人が行っている作業も確認しやすくなります。

お話を聞いたうえで、既存設備を活かせるのか、シンプルな搬送装置で対応できるのか、それとも供給や整列、位置決めまで含めて考えた方がよいのかを整理します。

「どんな機械を作ればいい?」ではなく、「今、この作業で困っている」から聞かせてください。

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