底面へ印字したい。 搬送中だけ、製品の底を空けておきたい。 橋渡しに使いたい。
そういう場面で使われるのが、グリップコンベアです。
マーキング・コトはじめでは、これまでグリップコンベアを案件ごとにワンオフで設計・製作してきました。 その中で、毎回ゼロから設計しなくても対応できる用途をまとめたものが、この標準型です。
ただし、標準型だからといって、どんなワークにも使えるわけではありません。 まず、自社のワークが標準型に合うかどうかを見るところから始めます。

標準型で搬送しやすいワーク
主に、瓶、缶、ボトル、樹脂容器など、寸胴で左右から保持しやすい形状で、目安としては、直径30mm以上、長さ100mm以上くらいのワークを想定しています。 手投入で考えると、それくらいのサイズが、無理なく扱いやすい範囲です。 グリップ幅の調整範囲は、0~100mmです。
重量については、機長上に同時に搬送できるワークの総重量で、約1kg程度が目安になります。 例えば、1個300gのワークなら、機長上に3個ほど並んでいる状態です。
なお、これらの数値は搬送を保証する値ではありません。 形状や材質、重量、重心のかかり方によって搬送状態は変わるため、あくまで標準型で対応しやすいワークの目安として捉えてください。


標準型でワークをグリップして搬送している様子を、動画でもご覧いただけます。
標準型『そのまま』では、扱いにくいワークもあります
自立しないペンのような小径で細長いものや、メダルのように薄く扁平なもの、円錐形や球体など外形形状が特殊なものは、標準型では扱いにくい場合があります。 チューブ製品なども同様です。
ただし、「標準型では扱いにくい=対応できない」ということではありません。
標準型は、単体での使用を想定しています。 そのため、ワークによっては標準型をそのまま使うより、供給方法や受け渡し部分などを少しアレンジした方が、無理なく搬送できる場合があります。
たとえば過去には、上流側にワークを送り込むためのコンベアを組み合わせ、グリップする高さを変更できるようにすることで、チューブ製品に対応したこともあります。
実際に投入用コンベアと高さ調整を組み合わせた事例は、こちらの記事で紹介しています。
まず、標準型単体で使えるかを確認し、難しければ必要な部分だけを変える。 それでも合わなければ、別仕様や別の搬送方法を考えます。
標準仕様
| 項目 | 標準仕様 |
|---|---|
| 機長 | 約700mm |
| ベルト幅 | 35mm |
| 搬送速度 | 約25m/min |
| パスライン | 約700~750mm |
| 電源 | AC100V |
| モーター | ブラシレスDCモーター 30W |
| グリップ幅調整 | 0~100mm |
| 幅調整方法 | 手動ハンドル |
| ベルト | ウェットスポンジ+ジャージ貼り、または、ラフトップ (ワーク・使用環境により選定) |
| 速度調整 | モーターコントローラ |
| START/STOP | セレクトスイッチ |
| 脚部 | アジャスター付き、キャスターなし |
| ポジションメータ(※) | オプション |
※
ポジションメータを使用すると、幅調整の位置を数値で管理できます。 ただし、ベルトは使用とともにへたりや摩耗が生じるため、同じ数値に合わせてもグリップの状態が同じになるとは限りません。 ポジションメータを採用される場合は、数値はあくまで目安とし、実際のワークの保持状態を確認しながら調整してください。
ワークに合わせて、2種類のベルトから選びます
標準型では、「ウェットスポンジ+ジャージ貼り」と「ラフトップ」の2種類を基本としています。 どちらが上位ということではなく、ワークの材質や表面状態、使用環境によって選びます。


ウェットスポンジ+ジャージ貼り
ウェットスーツなどにも使われる柔らかなスポンジ素材に、ジャージ生地を貼ったベルトです。 スポンジがワークの形状になじみ、包み込むように保持できるため、化粧品容器などの搬送で選ばれることが多いです。
一方、ジャージは消耗品です。 表面の傷みや、ジャージとスポンジの間に浮きが生じると搬送にも影響するため、その場合はベルトの交換が必要です。 また、水滴が付着する環境ではジャージが水分を吸収し、ベルトの傷みにつながることがあります。
ラフトップ
傾斜搬送に用いられるベルトで、表面に凹凸を持たせたラバー系の素材を用いていて、グリップ性が高く、滑りやすい表面の容器などの搬送に向いています。 滑りやすく、重量がある場合に有効です。
ジャージのように水分を吸収する表面材ではないため、水滴が付着するワークではラフトップの方が扱いやすい場合もあります。
ただし、グリップ力が強ければよいわけではありません。 ワークの材質や形状、表面状態を見ながら、そのワークに合うベルトを選びます。
価格
標準型 本体価格 660,000円(税別)
輸送費、現地での据付・調整、既存ラインとの接続、標準仕様外への変更、センサー本体などは別途となります。 ポジションメータはオプションです。
印字機器本体、印字テストは、本体価格には含まれていません。
納入後の日常的な調整は、基本的にお客様側で行っていただくことを前提としています。 そのため、特殊な搬送方法であっても、一般的なベルトコンベアのように現場で扱っていける構成を目指しています。
マーキング・コトはじめが、グリップコンベアで大切にしていること
グリップコンベアは、ただ単純に、製品を左右から挟めば成立するわけではありません。
ワークを挟む力が強くなれば、その反力は機械側にもかかります。 機体の剛性が足りなければフレームが変形し、ワークを安定して保持できなくなることもあります。 これは、印字にも影響します。
また、ベルトを安定して走らせることも大切です。 ベルトが蛇行し、プーリーから外れたりすれば、そのたびに生産を止めて調整しなければなりません。
マーキング・コトはじめでは、こうした機械側のことだけでなく、ワークを無理なく保持できるか、品種が変わったときに調整しやすいか、納入後も現場で日常的に扱っていけるかまで含めて考えています。
特殊な搬送方法であっても、使うときまで特殊な機械にしない。標準型も、そうした考え方をもとに構成しています。
※ フレームの変形とグリップ力の関係については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
※ ベルトが外れる原因と、その対策については、こちらの記事をご覧ください。
標準型で合わない場合
まず標準型で対応できるかを確認し、少し条件が違えば必要な部分だけ変更できるかを考えます。 それでも合わなければ、ワンオフ設計や別の搬送方法を検討します。
標準型に無理にワークを合わせるのではなく、その現場に合う方法を考える、という順番です。
このワーク、標準型で搬送できる?
ワークの形状や大きさ、重量などをお知らせください。 まず標準型で対応できそうか確認します。
※ 大青鉄工のサイトへジャンプします。
