段ボールやカートン(小箱)のコストダウンを考えてみる。
ところで… 自社製品の配送で、段ボール箱などは使われてますか? 実は、

商品の種類が増えるたびにケースを作ってきた結果、
気が付けばケースの種類が膨大になってしまってて。
廃盤になってる商品用のとか、
デッドストックもたくさんあるみたい…。
何か、いい方法ありますか?
そんなお困りごとの相談をちょくちょく受けるんです。 お話を伺ってると、保管スペースとの兼ね合いもあったりして、なかなか切実みたいです。
特に、デッドストックに至る経緯などを考えると、「まだ、使うかもしれない…」というジレンマがあったりして、うかつに処分ができないという問題があるようです。
商品点数(アイテム)が少ない時には、たぶん、あんまり気にならないことなのでしょうけど、増えてくるとたちまち… という感じですね。
…いや、逆に考えると、むしろ、相談に来られるということの方が、『レア』なのかもしれません。 なぜか? といえば、作業って日常のことですよね? 何気なく作業をしているケースの方が多いことを考えると、そういった作業の中に 『??(疑問符)』 というフォーカスがいかない限り、気が付かない… というか、気が付けない。


そんなことを考えてみると、相談に来られたということは、それがマズイ状態だと気付けたということです。
ラッキーですよね!
放置しておくと危険な〝3つ〟の問題点。
段ボールなどの流通用包装資材が増えていく事がらに対しては、『3つ』の問題点があります。
それは、
- 商品企画や開発部門が、生産部門の内情を把握していない。
- 生産部門での作業が、『ルーチンワーク』になっている。
- 社内の連携がとれていない(コミュニケーション不足)
という問題点です。 これらの問題点は、全て、『コスト』に繋がっています。 つまり、これらの問題を解決していくことで、コストダウン化が図れるというわけです。
もう少し、詳しくお伝えしますね。 それではまず、最初の項目から。
商品企画・開発部門が、生産部門の内情を把握していない。
お客さんの状況を見ている感じ、概ね、商品企画や商品開発部門のスタッフは作業現場での作業の内情を把握していない場合が多いようです。
というよりも、あまりに気にしていない、気にしないという言い方が適当なのかもしれませんね。
彼らの任務は〝売るため〟の商品を創ることです。 これは当然と言えば当然のことです。
〝売れる商品〟を目標に、販売の良し悪しを決める直接的な包装資材のデザインを企画し、制作していく。 これも当然の業務です。
でも、直接的でない、間接的な流通用途の段ボールや区分け用途の小箱(カートン)についてはどうでしょうか? これへの企画やデザインも、同じように行なっているとすれば… ちょっと問題です。
どういうことか? というと… そういった資材は、ほぼ流通のためだけに使われるわけですよね?
とするなら、そういう資材に対して、ただ安直に〝デザインを増やす方向〟で対応していくというのが残念だと思えるのです。 少し考えて頂きたいのが、
デザインが増える、即ち、段ボールの種類が増える
ということです。 段ボールの種類が増えるということは、それに纏わる作業も増える… ということです。


つまり、生産部門側の作業をどんどん増やしているこということであって、結局、商品企画や開発の部門が、彼らの仕事の内容、内情を把握できていないということに繋がっているということです。
要は、それが新企画な商品であれ、既存製品のラインナップを増やす場合であれ、ただ、安直に流通用途の資材まで増やしてしまうというやり方はナンセンスだという話しです。
生産部門での作業が『ルーチンワーク』になっている。
生産部門で考えるべき点は、ある種の作業が〝無自覚〟なルーチンワークになっているという点です。
「無自覚な」ルーチンワークの代表的なのが〝物を探す作業〟です。 一見すると、通常業務の中の〝ひとつの作業〟であると思われがちですが… 注意したいのは、この作業は、何ら「利益を生まない」ということです。
「物を探す」にしても、ほんの一瞬で該当するそれを見つけ出す場合と、数分かかって見つけ出す場合とではどうでしょうか? 当然、『数分かかって』の方が、無駄な時間を費やしてしまっていることが理解できると思います。


こういった事がらについて、厄介なのは『無自覚』がゆえに、
無駄な作業であるということへの認識がない
というです。 もしも、あなたの生産部門でのスタッフがこのような状況にあるとすれば、かなり末期な状態になっていると思われます。



え~っと…
この商品の箱は、確かこの辺にあった…はず…
あ、あったあった! あ、あれ? ヤバイ! これ違う!
xxx用の箱だったわ。また、探さなくちゃ。
遡って考えると、『探すという作業』は資材の品種が増えてしまっていることに起因する場合が多いということです。
社内の連携がとれていない(コミュニケーション不足)
問題の根本的な要因を考えてみると、それは、結局のところ、
部門間(社内)の連携が取れていない
ということが関係していると思われるのです。 要は、部門間、あるいは会社全体としてのコミュニケーション不足が原因です。


連携をとることで、作業内容などお互いの現在の状況が把握しあえ、また、抱えている問題点を共有できることで、それを改善課題として、部門間、あるいは会社全体として取り組むことができるようになります。
コストダウン化への妙案。
繰り返します。 上記の問題点は、全て『コスト』に繋がっています。 即ち、問題点がクリアできれば、コストダウンは可能だということです。 それでは、問題点をクリアする〝糸口〟をお伝えしていきますね。
品種を増やさない。
まず、商品企画や開発部門の中で、『品種を増やさない』という取り組みを挙げます。 品種が増えなければ、生産部門での作業も増えないのです。



そんなこと言われたって…
ですよね? 品種を増やさないというのは、販売する商品そのものへの品種ではなく、それに係る段ボールなどの流通用途で用いる資材の品種を増やさない… ということです。
例えば、資材のサイズが同一であっても『名称(銘柄)』が異なるというだけで、それ毎にデザインを変えているとするなら、資材の品種は増えていくばかり… ですよね?
品種が増えるに従い、その分の管理場所も必要になり、それに係る作業も必要になるということです。 生産部門での作業を増やしているというのはこの点です。
仮に、銘柄A、銘柄B、銘柄C、銘柄Dがあった場合を考えてみます。 現状、銘柄ごとに段ボールを製作していたとするなら、A~Dの4種類の管理区分・スペースが存在しているということです。
でも、これを整理し、一本化できた場合はどうでしょうか?
4種類の銘柄の区分けを1つに集約することができれば、管理場所での区分はなくなります… よね? 且つ、それに伴う作業も削減できるということです。
商品企画・開発部門の業務としてのポイントは、
企画・開発の段階で、資材への共通化を図りながら考えていく
ということです。 これにより、生産部門への作業の負荷低減に繋げていくことができます。
「探さない」環境へ。
〝探す〟という作業が無駄であるということは、前述した通りです。 また、探すという作業の発生源になるのが『品種』です。 「品種」があるがゆえ、生産部門では
- 【労力】 該当資材を探し出すための作業労力。
- 【場所】 資材を管理・仕分けするための作業スペース。
- 【時間】 資材管理場所での仕分けなど管理。
のような〝コスト〟を浪費してしまっているのは否めないのです。 コストとは、即ち、経費です。



それは必要経費になるだろうだから、
仕方がないよ!
と言われるかもしれません。 確かに、完全にゼロにはできません。
でも、繰り返しになりますが、〝モノを探す〟作業が、スタッフの【日常業務の一環】として行われていることに問題があるのです。
段取り作業の一環として〝探す〟行為が必要であるという見方もできますが、もし、それが頻繁に発生し、1回に数分~数十分間も費やさなければならないとするならどうでしょうか?
それでも、〝必要な作業〟と言えるでしょうか?
そもそも、スタッフはそれを通常業務として捉えているため、それが、無駄な作業であるということへの理解がありません。 この〝無駄な作業〟の所為で、もしかすると、残業が発生してしまっているのかも…
もっと言えば、生産工程で、本来上げられるべき処理(数)が、この所為で未達になってしまっている… という可能性さえあります。
また、怖いと思えるのは、それがどれだけ無駄な作業であったとしても、その作業のために、「今日も1日、よく働いた!」とか、あるいは、「わたしは、いつもたくさん仕事をしてる!」という〝錯覚〟をスタッフに植え付けてしまっているという点です。
結論を言えば、〝探さない〟環境にしていくことこそが、無駄を削減することにつながるということです。
風通しよく。
もしかすると… 『風通し』については、どこの会社でもテーマになる事がらなのかもしれないですよね。
部門間はもちろん、会社全体としての〝風通し〟がよくなれば、さまざまな課題への対応も迅速に行なえるようになります。
そのためには、スタッフひとりひとりが、所属している部門の中でも外でもうまくコミュニケーションをとれるような環境作りが必要です。 … という言い回しは、ありきたりかもしれませんね。苦笑
会社の規模にもよると思いますが、そのキーになるのは、やはり、〝長〟の存在なのだと思えます。 社長、部長、課長、グループ長という〝長〟となる方々の振る舞いが大きく作用するのではないか? と思えるのです。
部門間を考えると、部門の〝長〟同士が仲良くないと、風通しは悪くなります。 でも… どんな風に、会社を デザイン していくか? それを決めるのは、社長。
全社的に見れば、社長の振る舞いが一番大きいのかもしれませんね。
余談ですが… もし、話し相手が必要なら、〝社長の話し相手〟という事業(取組み)もやってます。 興味があれば、是非。
コストダウンに繋げてきた事例。
お陰様で、さまざまな生産現場様への対応をしてきました。
ただし、お客様のご都合にて、ここではご紹介できない事例もたくさんあります。ですので、ここに挙げているのは、ほんの一例です。 ちなみに、ワンオフでの対応が得意です。抱えられているその悩み、もしかしたら解決できるかもしれません。 お気軽にご相談ください!
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