例えば、産業用インクジェットを使って、円筒形の瓶のような製品の底の部分に印字をしたい… という場合、あなたならどのように対応しますか?
こんにちは、
マーキング・コトはじめ、担当のけたろーです。
いつもありがとうございます! 感謝しています。
さて…
容器の底面への印字。
産業用インクジェットでは、製品の側面や天面への印字の他に、底面への印字を行う場合もあります。
その際、箱のように搬送時に安定するような形状で、且つ、ある程度大きさのあるものなら、ベルトコンベアなどを用いても比較的容易に対応ができます。 例えば、ベルトコンベアを2台用意して、その間にプリントヘッドを設置し、乗り継ぎ時に印字を行うという方法などがそれです。
しかし、自立が容易でない形状や傾倒時に割れるなどのリスクがある製品の場合、こういったベルトコンベアでの対応は困難です。 そういう場合にどう対応するか?
容器をグリップして搬送させる。
そんな時に便利な器材が【グリップコンベア※】です。(※ 抱き込みコンベアとも呼ばれています。)
グリップコンベアの原理的には、ベルトコンベアのベルト面を垂直に立て、その面が対面するように設置された2台のベルトコンベアのベルトにて挟むように搬送するという方式です。 挟んで搬送する際、底面からアプローチができるため底面への印字が可能になるというわけです。
また、この方式のコンベアでは、乗り継ぎ用途でもよく利用されています。 例えば、対象物がガラス瓶などの製品に対して、コンベアAからコンベアBへの乗り継ぎを考える場合、乗り継ぎ時に傾倒したり、割れるリスクがあります。 乗り継ぎのポイントでグリップコンベアを用いれば、搬送時に製品を〝ホールド〟できるため、安定した乗り継ぎを行うことができます。
なお、〝ホールド〟できる特性を活かせば、ベルトコンベア搬送では揺れてしまうような製品への印字も安定して行うことができます。
安物買いには気をつけて!
結構便利なグリップコンベアなのですが、やはりというか、当然、世間的にはかなり安価なモノも出回ってるようです。 安価なものでも、造りがしっかりしていて、ご自分の使用環境に合うのであれば問題ないとは思います。 が、購入される際には、きちんと搬送スペックを確認されることをお奨めします!
グリップコンベアの構造的には、2台のモーターを使うのが主流なのでベルトスピードの調整の仕方も押さえておきたいポイントになります。
インダクションモータ仕様は避けるべき。
正常なグリップ搬送が行えている場合、グリップされている間の製品はほぼ揺らぎなく、もちろん、回転することもなく、〝静止状態〟で搬送が行われます。
この状態は2本のベルトが同一スピードで走行できてこそ実現し、2本のベルトスピードが同調しないと安定した搬送ができないのです。 こと、ベルトスピードの同調がない場合、円筒形の製品では搬送中に回ってしまうのです。 また、回りはしなくとも、静止状態にならず、揺らいでしまうという現象が発生してしまいます。

スピードを一緒にするって、
簡単でしょ??
という風に思われるかもしれませんね。 しかし、2台のモーターのスピードを調整するのは意外と難しいのです。 もっとも、機種にもよりますが…
例えば、汎用モーターと言われているインダクションモーターが採用されている場合、調整はかなり難しくなります。 なぜなら、インダクションモーターの想定が〝単体使い〟であるからです。 そもそも、インダクションモーターは単独用途での使用が想定されていて、2台以上でのスピードの同調や同期をとって制御するような構造にはなっていないのです。
なので、そういったモーターが搭載されている場合には、注意が必要になります。
では、なぜ、そういったモーターが採用されるか? というと、答えは簡単。 『安価』だからです。 安価なモーター採用することで製作コストを下げているというわけです。
しかし、インダクションモーターであったとしても、まったく同調できないか? と言えばそうでもありません。 〝調整がやりづらい〟というだけで、時間がかかってしまうということです。 なお、使用を継続していく中でのちょっとした瞬間に速度差がでたり、微妙なズレが発生してしまうのはモーターの特性上、仕方がありません。
ちなみに、グリップコンベアの賢い選定の仕方については、こちらで詳しくお伝えしています。


弊社製グリップコンベア
数々の設計・製作経験を経て、たどり着いたのがこのグリップコンベアです。 グリップ動作時の衝撃緩和や、より安定した搬送を実現しました。


ベルト脱落防止対策として、裏桟付きのベルトを採用しています。 が、ある程度の間隔を開けて搬送されることをお奨めします。 間隔を開けずに搬送した場合、ベルトの蛇行調整(復元時間)がなくなってしまうため、搬送にあまりいい影響を与えません。また、トリガタイミング等の問題で印字に支障が出る可能性があります。
レンタルも行っております!
突発的な案件でグリップコンベアを使わざるを得なくなったとか、使用感を試してみたいとか… そういったニーズにお応えして、レンタル機をご用意しています。 レンタル期間やレンタル料などについてのご相談はお気軽にお願いします。
動画にて。
動作を動画でご覧いただけます。
時短設計®な視点で、印字作業を快適にしていく仕組みをワンオフで創っています。
インクジェットのメーカー問わず、対応します。
ご相談はお気軽にどうぞ! ビビッときたら、お気軽にお問合せ下さい!
2022-03-11 Re-Write